異星人警備隊(6)

文字数 1,222文字

「嘘を言っている訳では無さそうね」
 小島さんは彼の話を信じた様だった。僕は個人的な興味から彼女に一つの質問をした。
「小島さんも宇宙人なのですか? 特殊能力で、僕のメールの真偽すらも分かるのですか?」
 小島さんは僕の質問に、渡りに舟とばかりに自分のことを説明し始めた。
「勿論、異星人よ。宇宙人は当り前、地球外生命体と言うのが私の正体。私の能力は大体、君の想像通りでOKね。でも、地球人でもあるの。シンディ小島と言うのが私の地球上の名前、ちゃんと戸籍もあるわ」
 彼女は僕にそれを言ってから、もう一人の僕に新たな話を持ち出してきた。
「で、君が憑依できるって話を聞いて、私、良い事を思いついちゃったの。私についてきてくれない?」
 小島さんは僕ともう一人の返事を待たず、スタスタと部屋を出ていく。僕は置いていかれない様に、急いで彼女の後を追った。
「ねえ、もう一人の君、君たちの種族はどうやって繁殖しているのかな? 自然発生している訳じゃないでしょう?」
 それには僕の携帯がメールで答える。僕は速足で彼女に追いつくと、そのまま携帯を手渡した。
「ふ~ん、成程ね、性別は宿主によって決められ、宿主……、君の場合は鈴木君か、共生されている男女の宿主同士が、精神的な交流を持つことで、彼女の脳に新しい精神、つまり幼生が発生でき、その幼生は新しく宿主となる胎児を探して空間を渡り歩くのか……」
 小島さんは僕に説明も兼ねて、彼の言葉を繰り返している様だった。
「ところで、君、実は鈴木君の肉体を乗っとる事も出来るんじゃないの?」
 小島さんの手にした僕の携帯から、直ぐにメールの着信振動音が響いた。
「鈴木君、彼、いつでも君の身体を自由に出来るそうよ。驚いた? でも、彼らの種族はそれを望まないんだって。そうすると、存在がバレる上に、危険な寄生生物として駆除される危険が増えるからだって」
 彼は言い足りなかったらしく、続けざまに着信振動音が鳴り響いた。
「え~と何々、彼が宿主を動かすのは、本当に危機一髪の時か、火事場の馬鹿力として関与する時だけだって。彼らは憑依のやり直しが利かないので、宿主が死んじゃうと一緒に死んじゃうんだって。だから自分を守る為に、そういう時は仕方なく宿主を守ろうとするって。だから、生物的には片利共生だけど、実際は宿主にもメリットがあるって……、彼はそう言ってるわね」
 確かにそう言えば、何か困った時とか、試験で答えが出ない時、何故か偶然閃いたことが何度もある。恐らくそれは、僕に分からない様に、彼がこっそりと教えていてくれていたのだろう。
 そんな話をしているうちに、僕たちは別の部屋の認証機能のあるドアの前に到着した。
 今度の扉は、作戦室より機密性が高いらしく、認証が指紋認証を加えた3段階に増えている。その安全装置を解除した小島さんは、研究室の様な部屋へと僕たちを誘った。
「さ、ここが異星人警備隊、化学班の最高機密、超異星人を研究している施設よ」
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登場人物紹介

鈴木 挑(すずき いどむ)


横浜青嵐高校2年生。

異星人を宿す、共生型強化人間。

脳内に宿る異星人アルトロと共に、異星人警備隊隊員として、異星人テロリストと戦い続けている。

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