異星人警備隊(4)

文字数 1,005文字

「おい、上司とはどう言うことだ?」
 目付きの鋭い男性が案内の女性に訊ねる。だが、それには女性ではなく、川崎隊長と呼ばれた男が答えた。
「君たちは会場に現れた時点で合格だよ。私の募集要項を読めたのだからね」
 確かに、どう言うことなのだ? 準国営企業とも言われるインフラ会社の事業拡大に伴う営業マンと事務職の緊急大量募集が、何でこうなるのだ?
「成程、確かにあの募集要項に応募する時点で能力的な資格は充分って訳ね。でも、安全面はどうなのかしら? この中に、スパイがいないとも限らないわ」
 今まで一言も離さなかった逞しい女性が、ここで始めて口を開いた。
「それには及ばないよ、君たちを案内してくれた女性、彼女が君たちは安全だと証明してくれている」
 案内してくれた女性は、僕たちに向かって少し微笑んで軽く会釈をした。
「あの~、僕には全く訳分かんないんですけど~。僕って営業として内定したのですか? それとも事務職で内定が採れたのですか?」
 僕の質問に小学生の彼が答える。考えてみれば、小学生が何で就職できるんだ?
「面白い冗談だね。だったら僕が事務をするから、お兄さんは営業でもする?」
 逞しい女性は、少年だけでなく僕も冗談を言っていたと思っているらしい。僕の言葉を全く無視し、苛々した態度で川崎隊長に話をする様に促した。
 川崎隊長はそれを受けて、目付きの鋭い男性に先ず言葉を掛ける。
「では、早速自己紹介をして貰おうか」
「受付で名前を書いた心算だがな」
「君たち同士は、見知らぬ間柄では無いのかね? 全員知り合いだって言うのなら、話しは別だがね」
 それはそうだ。不特定多数の募集で全員知り合いであろう筈も無い。目付きの鋭い男は納得したのか自分の名前を語りだした。
「俺は港町。出身地や特技まで言う必要はないだろう?」
 そして、川崎隊長は、僕の肩に手を掛けた。
「君は?」
「僕は鈴木と言います。横浜青嵐高校の2年生です」
 逞しい女性は「東門(ひがしかど)」と名乗り、少年は「僕は大師(ターシー)とでも呼んでよ」と自分を説明した。
「そして、君たちを案内してくれたのが私の秘書兼作戦参謀、小島君だ」
 川崎隊長の紹介に小島と言う女性は「宜しくお願いします」と皆に軽くお辞儀をしてから挨拶の言葉を発した。

「良し! ここにいるメンバー6名が、人間社会に隠れ生息する異星人テロリストに対する監視を行う、異星人警備隊だ!」
 川崎隊長が、この新組織の発足をここに宣言したのだ。
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登場人物紹介

鈴木 挑(すずき いどむ)


横浜青嵐高校2年生。

異星人を宿す、共生型強化人間。

脳内に宿る異星人アルトロと共に、異星人警備隊隊員として、異星人テロリストと戦い続けている。

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