別世界からの侵略「前編」(8)
文字数 1,435文字
僕たちを乗せた宇宙船は、遂に敵の侵入口、時空の裂け目に到達した。そして、そのまま、その空間の穴へと跳び込んでいく。
「な、なんだ? 制御が利かないぞ?」
川崎隊長が操縦席で声を荒らげた。しかし、小島参謀は、それを左程問題にはしていない様で、落ち着きはらっている。
「安心して、ここでは通常の反動推進機では前にも横にも進めないだけだから」
「どうすんのさ、参謀?」
この大師隊員の質問に、小島参謀は僕に指示を与える。
「SPA-1を呼び出して、彼に船を押させなさい!」
って、僕たちに船を素手で押せってことか?!
「まぁ良いじゃないか? チョウ」
アルトロの言葉で納得し、僕はSPA-1の再起動命令を携帯に向かって叫ぶ。
「スパウノ、リアビーバ!」
僕の目の前に、着ぐるみショウの衣装を身に纏ったSPA-1、小島参謀のお兄さんが瞬間移動してくる。
小島参謀はそれに見向きもせず、船尾の少し左に見える巨大なコンテナに見える宇宙船を指差し、次の指示を僕たちに寄越した。
「チョウ君、船首をあの不細工な宇宙船に向けてから、この船を直進させて」
僕とアルトロは座席に座ったまま気絶し、SPA-1に憑依する。うん、今回は拒否されない。それじゃ、行きましょうかね。
「港町隊員、向きが変わったら10万メートルまで接近して砲撃開始よ。いくら侵略兵器とは言え、無尽蔵に弾がある訳ではないから、外さない様に確実に仕留めてね」
僕たちは小島作戦参謀の声を聞きながら、川崎隊長の宇宙船から外へと瞬間移動した。
小島参謀の指示は、テレパシーで僕とアルトロに伝えられてくる。あの四角いコンテナ船を撃墜したら、遥か向うに見えるコンテナ船だ! そうやって、一気に僕たちの船は、敵艦4隻を時空の狭間の塵に変えていた。
四角いコンテナ船が、時空の裂け目を開き、閉じない様に固定しているピン止めのピンの様な役目をしてたのだろう。コンテナ船が撃沈される度に、星の見える時空の裂け目がどんどん小さくなっていく。
そして、小島参謀の最後の指示は、締まりつつある時空の裂け目に向けて宇宙船を進め、僕も一旦宇宙船に戻ることだった。
僕は船に戻り、憑依を解いた。
宇宙船では、小島参謀が川崎隊長以下、異星人警備隊全員に指示を与えようとしている。
「時空の裂け目は、このまま閉じられると思います。敵も私たちの存在をもう充分認識している筈です。来た時の様にフリーパスとは行かないでしょう。作戦通り、宇宙船は敵の目を逃れ隠れていて下さい。
チョウ君、私と君は時空の中に戻る直前、一気に敵の旗艦に瞬間移動するわよ。先程位置は確認したわ。どこに行けるか分からないけど、なんとか私が旗艦の船内に瞬間移動させる。チョウ君は私につかまって、一緒に移動してね!」
小島参謀の話の途中、ストラーダ隊員が参謀に、侵入メンバーへの自分の追加を直訴する。
「シンディさん! 私も一緒に行く! こんな、侵略者や元テロリストなんて、怪しげな異星人たちと、私一緒になんかいられない!」
「駄目よ、サーラちゃん。時空外での戦いは大悪魔にしか熟 せない。サーラちゃんはこの船で待っているのよ!」
ストラーダ隊員はまだ不満そうだったが、俯いてそのまま引き下がった。
「じゃ川崎隊長、この後の隊の指揮は隊長にお任せます。信じていますから……」
「では参謀、ご武運を」
SPA-1に憑依し直した僕と小島参謀は、大悪魔皇帝が待つ、敵の旗艦へと一気に瞬間移動し、突入作戦を敢行したのであった。
「な、なんだ? 制御が利かないぞ?」
川崎隊長が操縦席で声を荒らげた。しかし、小島参謀は、それを左程問題にはしていない様で、落ち着きはらっている。
「安心して、ここでは通常の反動推進機では前にも横にも進めないだけだから」
「どうすんのさ、参謀?」
この大師隊員の質問に、小島参謀は僕に指示を与える。
「SPA-1を呼び出して、彼に船を押させなさい!」
って、僕たちに船を素手で押せってことか?!
「まぁ良いじゃないか? チョウ」
アルトロの言葉で納得し、僕はSPA-1の再起動命令を携帯に向かって叫ぶ。
「スパウノ、リアビーバ!」
僕の目の前に、着ぐるみショウの衣装を身に纏ったSPA-1、小島参謀のお兄さんが瞬間移動してくる。
小島参謀はそれに見向きもせず、船尾の少し左に見える巨大なコンテナに見える宇宙船を指差し、次の指示を僕たちに寄越した。
「チョウ君、船首をあの不細工な宇宙船に向けてから、この船を直進させて」
僕とアルトロは座席に座ったまま気絶し、SPA-1に憑依する。うん、今回は拒否されない。それじゃ、行きましょうかね。
「港町隊員、向きが変わったら10万メートルまで接近して砲撃開始よ。いくら侵略兵器とは言え、無尽蔵に弾がある訳ではないから、外さない様に確実に仕留めてね」
僕たちは小島作戦参謀の声を聞きながら、川崎隊長の宇宙船から外へと瞬間移動した。
小島参謀の指示は、テレパシーで僕とアルトロに伝えられてくる。あの四角いコンテナ船を撃墜したら、遥か向うに見えるコンテナ船だ! そうやって、一気に僕たちの船は、敵艦4隻を時空の狭間の塵に変えていた。
四角いコンテナ船が、時空の裂け目を開き、閉じない様に固定しているピン止めのピンの様な役目をしてたのだろう。コンテナ船が撃沈される度に、星の見える時空の裂け目がどんどん小さくなっていく。
そして、小島参謀の最後の指示は、締まりつつある時空の裂け目に向けて宇宙船を進め、僕も一旦宇宙船に戻ることだった。
僕は船に戻り、憑依を解いた。
宇宙船では、小島参謀が川崎隊長以下、異星人警備隊全員に指示を与えようとしている。
「時空の裂け目は、このまま閉じられると思います。敵も私たちの存在をもう充分認識している筈です。来た時の様にフリーパスとは行かないでしょう。作戦通り、宇宙船は敵の目を逃れ隠れていて下さい。
チョウ君、私と君は時空の中に戻る直前、一気に敵の旗艦に瞬間移動するわよ。先程位置は確認したわ。どこに行けるか分からないけど、なんとか私が旗艦の船内に瞬間移動させる。チョウ君は私につかまって、一緒に移動してね!」
小島参謀の話の途中、ストラーダ隊員が参謀に、侵入メンバーへの自分の追加を直訴する。
「シンディさん! 私も一緒に行く! こんな、侵略者や元テロリストなんて、怪しげな異星人たちと、私一緒になんかいられない!」
「駄目よ、サーラちゃん。時空外での戦いは大悪魔にしか
ストラーダ隊員はまだ不満そうだったが、俯いてそのまま引き下がった。
「じゃ川崎隊長、この後の隊の指揮は隊長にお任せます。信じていますから……」
「では参謀、ご武運を」
SPA-1に憑依し直した僕と小島参謀は、大悪魔皇帝が待つ、敵の旗艦へと一気に瞬間移動し、突入作戦を敢行したのであった。