考えなし2

文字数 1,618文字

親戚の兄妹ですが、とてつもない性格の悪さをしているな。と、昔は感じていたんですけど、20歳を越したあたりから、親の影響を多大に受けた結果の性格だったんだなと理解できました。

幼少期の、小汚く、いつもお腹を空かせている卑しい私を、親戚の大人たちは「ああはなっちゃいけない。」「かわいそうに。」と、延々に言い続けていたのを聞いていました。
私自身、清潔感というものを理解していなかったので、自分は普通だと思っていました。(側からみればとても汚いです。)
当然そんなことを聞いている親戚の子供は、私のことを侮った態度で接してくるんですけど、子供なので、嫌味にもハリがなく、普通に皆んなで楽しく遊んでいました。
楽しく遊んでいても親戚の大人が介入してくると、途端に状況は変わるもので、子供は親の真似をし始めます。雰囲気が一瞬で変わるのが、少し怖かったです。
親戚兄妹は、塾に通ったり、習い事をしたり、色々なことをさせてもらえていて、私がしたかった事を、当たり前のようにしていたことに対しては、正直羨ましくてたまりませんでした。

そんな親戚兄妹たちの母が、勉強に力をいれている方で、「いい高校、いい大学に入って、大手企業に勤めること。」を推奨し、親が1人で頑張っているだけだったことに、当時の私は気付けませんでした。親戚兄妹は、習い事もそんなにしたくなかったことを、後になってから知ったんです。
当時の私は勉強もせず、門限もなく、ふらふらとしていたので、制約されている兄妹たちから見て、私のことがとても憎たらしかったらしいです。
親戚兄妹の親は、私を比較対象にして、「ああなったら終わり。」「人生の負け組になる。」と、言い続けて、塾に通わせていたそうなのですが、結局のところ、親戚兄妹の兄の方は中学生中盤で勉強に対してのやる気がなくなり失速し、親の希望していた高校には入学せず、工業高校に入学し、悪い友人を作りグレてしまい、妹は勉強は頑張っているけど、性格に歪みがでてきて、学校ではいじめをするようになってしまいました。

その後、親戚の叔母から、
「りりちゃんの育て方が正解で、うちの子達の子育ては失敗だ。」
と、妹がいる前で言われたことで、財源があるから豊かな生活ができるわけではないことに気付かされました。
兄妹たちは、今まで「私のように落ちこぼれるな。」と、言われ続けて生きてきたのに、急に身内から手のひらを返され、味方から刺されたような感覚がしたと思います。
その後、妹の方から「母親から、ブスだね〜、どうしようもないほど私に似てないね〜。」と、言われることを聞きました。
私が見ていた豊かな親戚の生活の内情は、結構ドロドロしていたようで、多面性があることにも気づいた一件でした。
今まで否定してきたものを肯定して、長い間自分たちのことを肯定してきた身内に裏切られる感覚は、私には想像もつきません。
多分、崖から突き落とされるような感覚だったり、胸が痛くなったりするんだと思います。優しさがあった分深く突き刺さることもわかっているはずの大人が、子供に対してそういう発言をしてしまうのを見て、褒めらはしても、いい気分にはなれませんでした。

親戚兄妹とは、もう5年ほど会っていませんが、元々の性格が歪んでいたわけではないので、それぞれが折り合いをつけて、自分なりの幸せを見つけて生きていることを願っています。
仲良く遊んでいたことも多くあったことと、勉強自体はできる方達なので、私より豊かにはなっていると思いますし、私もこれから、負けないように頑張りたいと思っています。

心無い言葉をかけられても、どうせそんな人は外野なので、証拠を録音しておいて、いいタイミングで露見させてやるくらいの気概で生きていきましょう。
自分がしてきたことのツケを払うのも、その人自身です。
同じことか、それ以上のことをやり返しても、誰も止めませんし、少なくても、私は「よくやった、頑張った。」と、言います。
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