愛情

文字数 638文字

虐待といえば虐待はされてたんですけど、愛情が全くなかったわけじゃないです。
曾祖母が生きていたころは、たまにですけどご飯が出てくるときがあって、曾祖母は料理なんてしたことない人間だつたらしいんですけど、なんだかんだ大事にしてくれていたんでしょう、卵の殻が入った卵焼き、先に味付けを済ませてしまうから苦い煮物、硬い大根の味付けは醤油のみのお吸い物、そんなものがたまにでも出てくると嬉しかったです。
当時は美味しくないなぁなんて思いながら胃に入れてましたけど。
私が今家で料理をするのは日常ですし、別に人に提供するわけじゃないので盛り付けにこだわりはないです、できるだけおいしいものを食べたいよなぁとかは考えてますけど、適当に作っても何とかなるので助かります。
最初から適当に作ってたわけではないです、最初はレシピの本を図書室で眺めてましたし、レシピを見ても何回か失敗をしてきました、私はポンコツなので。
簡単そうな卵焼きを作って食べていたところに曾祖母が来たことがあって、
「一口私にもちょうだい。」
なんて言ってくれたので食べてもらったんですけど。
「おいしい。」
って言ってもらえたのがすごく嬉しかったんです、曾祖母からの美味しいが嬉しくて、卵焼きを自分なりの作り方で色々試した時期もありました。基本的に実家の冷蔵庫には卵しか入ってないので、作りやすかったです。
誰かに料理を提供できるようなものではないですけど、曾祖母の愛情あっての今の食事の形なのかなぁ、なんてご飯を作りながら考えてました。
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