獣医学部独特の講義に犠牲は必要です

文字数 1,316文字

スケープゴート、推理漫画に出てきがちな言葉です。
まあ、日常生活ではそんなに使わないよにゃ、スケープゴート。
生贄の山羊、スケープゴート。
EU地獄で蠅の執事をやっているかも知れない。
羊な執事ならぬ山羊な執事。
日本語なら山が付くか付かないかなメェメェ鳴く偶蹄類達。
ありがとうサフォーク。
美味しいよサフォーク。
 
なんてカバーに書いてある漫画もあるんやで?
D○C○M○のコンシェルより先に出来た、羊な執事が主役な漫画。
美味しいよって、食われているじゃないかサフォーク。
羊肉、北海道以外だとあまり見かけないけどにゃ。
油が凄いですからね。
専用の調理器具がないと、フライパンから菜箸から油脂で使えなくなりますもの。
(作者の家庭科評価は、円周率みたいなものです)
問題はそこにゃの?
どうでしょう?
ただ、ジンギスカンと言えば北海道。
それは、否定出来まい。
まあ、ジンギスカン自体が日本独特らしいしにゃ。
で、雨を予知するとしてバラエティー番組のコーナーにも使われた山羊ですが、獣医学部では実習の為に使われます。
解剖学実習の。
それってつまり……
麻酔からの安楽死。
そして、解剖へ。
午後の講義を目一杯使っての実習です。昼過ぎからやって夜の八時、大学の情報センターが閉まっても続いた精神的にも大変な実習です。
命を奪っておいて、さくっと終わらせたら酷い話だけどにゃ。
だから、飲まず食わず休みもせずに向き合ったのです。
解剖学研究室の先輩方を巻き込んで、命を無駄にしないように隅々まで解剖してスケッチ。
スケッチじゃなく写真なら早いのに。
スケッチすることで、どの組織がどうなっているかを覚えるのが目的ですもの。写真で済ますなら、始めに買わされる専門書を使えば良い。
確かに、写真で済ませるなら本で済んじゃうにゃ。
触り心地も、実際に触って(注:ゴム製グローブ越し)みないと分かりませんから。
嫌ですよね、段々冷めていく感触。
そりゃ、推理漫画の犯人目線で、冷たさを語る訳ですわ。
冷たさは、そんな思い込みを利用してトリックにもなるけどにゃ。
そして、既に冷え切った頃、先輩が言うのですよ、
 
 肺に空気を入れてみろ

 
って。
はい!?
既に切り離してある肺を気道毎持ち上げて、息を吹き込めって。
班の誰もやらなかったから、先輩がやりましたよ、諦めた感じで。
人工呼吸でも躊躇うのに、内臓が相手なら余計に躊躇うにゃ……
肺の膨らむ原理は、ペットボトルで中学生辺りがやるじゃないですか。
それを、何故息を吹き込んで膨らませてみるべきだったのか。
どれ位膨らむかの確認……?
そんなの、肋骨内のキャパ次第じゃないですか。
幾ら病気は調べてある山羊だからって、息を吹き込むのは抵抗が。
それが出来てこそ、動物関連のお仕事に就けるってやつじゃにゃいの?
まあ、いざという時に躊躇っていたら駄目ですからね、命を預かる仕事なら。
とは言え、獣医なのは学部だけ、獣医師免許は取れない学科ですから誰もやらんかったわ。
誰もが嫌がることをやる、それこそ生贄じゃにゃーか。
ある意味、ね。
実習の犠牲になった山羊はゴミ袋に詰められて冷凍。
業者が来るまでは凍ったまま腐敗を防ぎます。
黙祷とかやらなかった気がします。
山羊の扱いがなんだかにゃあ……
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登場人物紹介

作者代理

 
眼鏡でコミュ症な田舎育ち
毒親育ちが故に歪んでいる

イマジニャリーフレンド

 
モフやかなツッコミ役

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