チップが(ry

文字数 1,260文字

チップ、それは国によってはサービスに対するお礼として渡すお金。
チップ、それは先っぽとか小片とかも意味する単語。
芋小片は、おこもりの味方。
研究室でチップと言う場合、それはマイクロピペットの先に付けるチップの事。
小学校でも使う駒込ピペットはざっくりした量を量れますが、大学で行う研究では正確な量を量らないと実験になりません。
まあ、赤いゴムのところを握って、それから手を緩めて液体を吸い上げて……じゃ、正確に量るのは難しいよにゃ。
硝子部分が割れている場合もあるし。
そう、とある漫画では吸い上げるタイプのピペットを使っていましたが、割れているから怪我をしていた。
まあ、あれも吸わなきゃ良い話なんですが(しかし、ドラマでさえ17年も前なので、原作の時代的にそれ以外のやり方が無かったと思われる)
硝子は、STAY HOME で磨き上げるにとどめておけば良いにゃ。
金田一少年が今や37歳なら、初代の相方も少年ではない訳だが。
それは突っ込んだら負け。
二十年してもキラキラをしょっている酢昆布で珈琲でクロワッサンな明智さんは、コンタクトレンズが出来ない御蔭でコロナにも強い。
そう、駒込ピペットが眼鏡をかける気軽さなら、マイクロピペットは薄いコンタクトレンズを目に入れるような器用さが必要となる。
例え方。
要は、マイクロピペットの扱いには器用さが必要とされるって話。
その器用さも、難なくこなす人はこなすレベルの器用さであるが、出来ない人にとっては大変な器用さなのです。
にゃるほど分からん。
さて、このチップ、小指より細いものだらけ。
そして、使うまでに汚れてはいけないので使いやすいようケースに入れておきます。
それをするのも、言うまでも無く下っ端の役目です。
下っ端の役目は様々にゃり。
チップ用のケースがありまして。
オートクレーブにも耐えられる素材でできてはいますが、百均にあるプラケースにプラ製のおろし金を挟んだような見た目です。
プラな見た目でおろし金とはこれ如何に。
おろし器?
 
何にせよ、穴が複数開いているので、その穴に(アルコール綿で綺麗にした)ピンセットを使ってチップを差し込んでいきます。
チップ自体は袋にざっくり詰められてやって来るので、それを無駄が無いように蓋に出してからなるべく空気に触れさせない様素早くかつ落とさない様に差し込みます
ええ、時間が掛かっても怒られ、落としたら怒鳴られ、多すぎる量を出したら顰蹙を買います
だから余計に手が震え、プレッシャーによってミスをする負のスパイラル。
ミスの許されない環境って、つくづくブラックみがあるにゃ。
そうしてチップを詰め終えたら、蓋をして滅菌終了で文字の出るテープを貼ってオートクレーブ滅菌。
なんとも手間のかかるチップの作業。
力は要らないけど、神経の磨り減る系雑用。
しかし、これで挫けていたら実験なんて出来ません。
そりゃそうだろうにゃ。
自分の手が、人並みに動いたらどれだけ幸せだったか……そう思う不器用な人間は何処かに居ると思っている。
人間、人並みに出来ないと辛いことって色々あるよにゃ。
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登場人物紹介

作者代理

 
眼鏡でコミュ症な田舎育ち
毒親育ちが故に歪んでいる

イマジニャリーフレンド

 
モフやかなツッコミ役

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