ネズミに行きつくまでのあれやこれ

文字数 781文字

二足歩行のネズミが住まう地は、入場者がとんでもないことになっている様だ。
上手いこと、ネズミ年の初めに到達したもんだにゃ。
お金に余裕のあるリア充だらけの地、ネズミランヅ。
非リア充にはハードル高過ぎ、入場料も高過ぎ、金田一はいずれ高杉。
夢を見るにも金が要るにゃ。
地獄の黒色鼠狼処に行くには降りにくい階段を使いますが、獣医学部の飼育施設に暮らすネズミに会うのも何かと面倒です。
ネズミに逃げられても困るもんにゃ。
ええ、ですからケージのある部屋は二重扉ですし、実験の種類によってエリアは分かれています。
 
関係者以外が入れないよう、建物にはカードを使わなければ入れない上に、入ったら紫外線で滅菌されたサンダルに履き替え、専用の白衣を着る。
そうしてから、使い捨てのグローブを嵌めて不織布製の使い捨て帽子を被り、全身にアルコールをスプレーしあう。
そして、飼育室に繋がる廊下に行くためのドアを開けるには手を使ってではなく足を溝に突っ込んで開け、その先でもまたアルコールのかけあいをしなければならない。あと、マスク装着。
アルコールかけあいって、どこのビールかけかにゃ?
70%アルコール入りのスプレーを、全身に吹きかける、何の目出度さも無い作業です。背中は掛けにくいから、かけあうんです。
そりゃまた面倒な。
これでもまだ楽な方です。
無菌飼育のエリアに行くには、それこそ全身着替えなければならないそうですし、菌を持たせて飼育していれば、出る際にも綺麗にならなきゃアウト。
特に手を加えていないラット相手でも、飼育施設を出る前に白衣は専用のポリバケツに入れなければなりませんし、グローブもマスクも帽子も捨てていかねばなりません。
なんか勿体ないにゃ。
感染の恐れから、使いまわす訳にもいきませんから。
それを毎日誰かしらやっていたのだから、ゴミは相当。
色々な犠牲の上に、研究は成り立つのです、ええ。
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登場人物紹介

作者代理

 
眼鏡でコミュ症な田舎育ち
毒親育ちが故に歪んでいる

イマジニャリーフレンド

 
モフやかなツッコミ役

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