呪縛によって、上手く飛べない毒親育ち

文字数 1,025文字

高校まで門限五時と言う、子供を管理したがる毒の元に生まれた悲劇は、上京しても尚、心を蝕んでいたのです。
背中に翼が有っても、生まれた時からずっと鳥かごの中に居たら、飛び方も分からないってやつにゃ。
そう、森の外に出たって、壁の外に出たって、海を渡って国を出たって、因果から逃げられるかは不明。
フリーダムな翼とは。
なんだろうね、サークル活動で夜遅くまで騒ぐのも大学生の特権みたいなもんじゃん?
その時にしか出来ないことと言うか、何がしかのモラトリアム期間と言うか、まだ許される年の内に楽しんでおこうと言うか。
まあ、社会に出たら様々な責任を負わなきゃならないもんにゃ。
そう、だと言うのに「講義が終わったら帰らなきゃ」と言う強迫観念に縛られていましてね。せっかくの上京で楽しいことも色々出来た筈なのに、講義が終わったらなるべく早く帰らなきゃって心理的な呪縛が、ね。
真面目な生き方は、後々虚しくなるものにゃ。
だけどね、家に居る時間が長ければ、それだけ電気代やら掛かる訳です。
そして、毒親は光熱費を引き落としている(私名義の)口座の通帳を押さえている。
だからね、例え一人暮らしの平均より低い料金でも料金が高いってメールしてきやがったのよ。
ネット検索で調べた結果とは言え、平均より低い料金なのに。
本当に高かったら反省しなきゃだけどにゃ。
蛍光灯と洗濯機、夕飯時のレンジ位しか電気を使っていないのに高くてたまるか。
同級生が「空調を使うのが普通」な生活をしているのに、私は「空調は贅沢」と洗脳されている。
その時点で、電気代が高いか安いかなんて……ねえ?
携帯の充電どうした。
微々たるものでしょう、携帯の充電なんて。
駅ビルで盗電した人も居たけど、その値段は一円にも満たなかった記憶が有りますし。
外出中に充電したけりゃ、携帯会社に駆け込むか、バッテリーを用意しておけってやつにゃ。
そこで、何かがフッと切れたんですね。
 
 じゃあ、節電の為になるべく家に居ないようにするわ
 
って。
どんな切れ方にゃ!
大学の図書館は午前八時から午後八時まで開いているし、PCも使えるし、空調も効いていて快適だしで居座りましたわ。
バイトが午後七時からある日は別だけど。
図書館、それは人によっては回復ポイント。
そして、バイトが講義のない土日だけから週五になった時には、バイト仲間と朝まで騒ぐことが出来るまでに適応しました。
毒を以て毒を制す。
毒親の毒も、毒親の毒によってぶち壊せる。

そんな、時間的なあれやこれ。
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登場人物紹介

作者代理

 
眼鏡でコミュ症な田舎育ち
毒親育ちが故に歪んでいる

イマジニャリーフレンド

 
モフやかなツッコミ役

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