褶曲としての主体化(中)

文字数 1,776文字

ぐはっ!
げはふぅッ!
うげらぼあっ!
なにお姉ちゃんたち、血反吐吐いてるのかな? あとみっしー、メフィスト賞作家さんに怒られる痛がり方しないほうがいいよ?
「うげらぼあっ!」
あ、なんか小説を音読してる風なカッコをつけてもダメなんだからねっ!
カッコをつけて格好をつける……のです。
全然格好ついてないよっ!
このチャットノベル、元号を跨いで令和になってしまうのです。
わたしには二人の酔いどれ感しか伝わってこないよっ?
こんな日くらい、お酒を飲ませてよっ、ひっく。……では、前回のあらすじ。
大丈夫かなぁ……。
ドゥルーズはフーコーを論じるとき、指標となるのは「知」「権力」「主体」だ、としたわ。「知」とは言表と可視性から形成されるもの。このふたつは相互外在的であり、このふたつの還元不可能なせめぎあいが「知」を形成する。じゃあ、両者に働くなんらかの力関係とはなにか? その両者が接触する〈場〉を考察するため、フーコーは「知」の前提である「権力」の分析に向かう……ッッッ!
と、いうことで「権力」で気を付けないとならないのは、それが支配するものと支配されるものの関係をあらわすものではない、ということなのです。
「権力」は、支配するものと支配されるものを同じように貫く力の関係を言うからなのです。ここには、「知」の二項に見られる非対称の関係はないのです。フーコーによれば「権力」の領域は、無数の〈特異点〉の絶えざる連鎖と切断からなるダイアグラムによって決定されるのですよ。
そして「権力」の永続的な生成こそ、「知」を成立させる契機にほかならない、と。これは「権力」が常に「知」を逸脱する外にあることを意味するのです。
思考はこの外へと向かい、外を思考することで、ダイアグラムに抵抗する能力が「権力」に備わっていることを見出すのです。
ぐでんぐでんに酔っぱらってるみたいだけど、みっしー、大丈夫?
Hey! Sey! Jump! なのです!
色々ツッコミどころが多すぎる振りはやめて、みっしー!
抵抗は「権力」の〈属性〉であり、外と直接的な関係を有するのです。それゆえに、「権力」が「生」を対象とするとき、「権力」への抵抗はそのまま生の要求に繋がるのですよ。……ここに「権力」と、外の力であるところの〈抵抗〉の関係としての、生の問題を取り上げる必要性が出てくるというわけなのですよ?
それが、外から内への褶曲(しゅうきょく)としての生、つまり「主体化」なのよ!
ズギャーン!
ズギャーンじゃねーですよ? ここで褶曲という地質用語が出てきたのですが、だいたい、フーコーは〈知の考古学〉とか言ってエピステーメーがどーの、とか言うわけですが。
エピステーメーっていうのは『ある時代の社会や人々の生産する知識のあり方を特定付け、影響を与える、知の「枠組」といったように捉えられる。』と、wikiにあるわけだけど、フーコーにおいてはね、この「枠組み」っていうのは〈断層〉の構造をしている、というのよ。
いわゆる『パラダイムシフト』というように使うあの「パラダイム」とは、また違った概念であることが重要なのですが、その理解の方法として、そもそもその〈断層〉とは地質学用語であることから考えるとわかりやすいのです。
wikiには「『言葉と物』において「エピステーメー」とは、人の思考はそれが持つ思考体系、メタ知識構造に従ってしまうという構造主義的見解を示す」とあるけど、わたしの見解では、断層っていうのは〈地層の積み重ね〉であることで形成されるから、〈メタ知識構造〉って考え方になるのよね。パラダイムシフトっていうのは、一斉に全部がガラリと変わる。四象限とか、よくやるけどね。断層も似ているけど、メタ構造を持つのよね。
メタ構造を持つとか、筒井御大みたいな感じになっちゃいますが……。
おっと、酔っぱらっててもそれ以上は言っちゃダメ!
その方がよさそうですね……。
平成の最後になにを言ってるのか。
(あわあわ)……じゃ、次は主体性のお話だねっ!
では、次でこのお話のラストとしましょうか。あまり理系に近寄るとソーカル事件の話をされるような……。
もー。平成最後の更新で話を広げて終わらなくしないのー! お姉ちゃんたちの悪い癖だよ、そういうとこ。
ふぅ。ドゥルーズやフーコーの話になると終わる気がしないのです。
   次回へ、つづく!
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登場人物紹介

【田山理科】

 主人公にして家主。妹のちづちづと知らない町に引っ越し、二人で暮らしを始めたが、ちづちづがどこからか拾ってきた少女・みっしーも同居することに。趣味は絵を描くこと。ペインティングナイフを武器にする。

【みっしー】

 死神少女。十王庁からやってきた。土地勘がないため力尽きそうなところをちづちづに拾われて、そのまま居候することに。大鎌(ハネムーン・スライサー)を武器に、縁切りを司る仕事をしていた死神である。

【ちづちづ】

 理科の妹。背が低く、小学生と間違われるが、中学生である。お姉ちゃん大好きっ娘。いつもおどおどしているが、気の強い一面をときたま見せる。みっしーとは友達感覚。

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