廃園の亡霊のために【第一話】
文字数 1,362文字
っと、それは現世でみっしーとディスカッションで行うと良い。良いか? 理科よ、うぬは自分の狂気および狂気に至る過程を了解可能なものとして、その身に飼い慣らすのじゃぞ。己の狂気を了解できぬはただのバーサーカーじゃ。その身に飼い慣らしたとき、その殻は破壊することもできよう。それは狂気が消えうせるのではない。狂気をプラスに働かせることができるようになる、ということじゃ。
あちしが天界の地蔵菩薩の化身でもあるのを、知っての発言じゃな。ふむ。十王庁の経典『預修十王七経』を知っているようじゃのぉ。いや、『地蔵十王経』か。さっきは首をかしげておったが、あれはフェイクか。くくく……面白い。死神向きの人材じゃの。
そしてわたしは再び眠りに就く。夢うつつで観たまぼろし……じゃなさそうね。
アパートの部屋の布団で目を覚ましたわたしは、居間に向かう。
次回につづく!