探偵ボードレールと病める花々【第二話】
文字数 1,076文字
ここらへんは絡み合っていて。「工業化」による生産力発展の問題を抜きにして「近代化」は論ずることができないのですが、「工業化」がつねに西欧的ないし資本主義的なコースをたどるとは限らないのです。社会体制、特に生産関係の問題を無視し、たんに「工業化」という側面だけから捉えなおすのは一面的な見解だ、と言われてしまうことなどがあるので、よく考えてこの絡みを考える必要性があるのです。
管理とは、特定の目的を設定し、それを達成するためにもっとも効率的に人員と資源を組織し、その活動を調整することなのです。管理は、だから多少とも組織的な人間活動のすべての分野に見られる現象なのですよ。感覚としてわかると思うのですが。
しかしこの現象が科学的な観察と分析の下に置かれ、体系的な管理理論として追及されるようになったのは、二十世紀に入ってから新しい産業組織が発展し、企業行動に様々な合理性が要求されるようになってからなのです。
フーコーの話も、何回かしたし、ジョージ・オーウェルの話も少し出したことがあるわね。そう、オーウェルが書いた、管理社会という〈ビッグ・ブラザー〉。それはハート&ネグリにとっては複雑な形として〈帝国〉と呼ばれることになる。わたしたちはそこではマルチチュードとして〈帝国〉に抗わなくてはならない。
それでは、『悪の華』が咲いたお話を、してきましょうか。
次回へ、つづく!