支えを離れて滅ぶか裂けるか？
文字数 1,602文字
ぐぬぬぬ……。
お姉ちゃん、女の子が「ぐぬぬぬ」なんて言っちゃだめだよ。はしたないよっ。
許すまじ！ おのれぇ！
どーしたのですか理科。まるで元カレが調子に乗って女性をうひゃうひゃ自宅に連れ込むのを目撃してしまったかのような勢いで、額の血管が浮き出ているのですよ？
ずいぶん具体的だねっ？ 自分の実話をもとにしゃべってるのかな？
ぐぬぬぬぬ……ッッッ！
しまった！ 地雷踏んじゃったかなっ！
ぐぬぬぬぬ……！
ぐぬぬぬ……！
わたし、なんか「ぬぬぬ」って文字がゲシュタルト崩壊起こし始めてきちゃったよ！ どーしたの、お姉ちゃん。
わたしが誰かに人生ぶっ壊されたように、わたしもどこかで誰かの人生をぶっ壊してるんだなぁ、と。わたしの壊され方はそりゃ酷いものだった。けれど、それでも攻撃の手は止まない。それは、攻撃してくる奴らがわたしを壊した奴らの味方であるか、もしくは攻撃してくる奴らがわたしが壊したひとの味方だからなんだろうなーって。……少し手を緩めて欲しいなぁ。攻撃してくるその手を。
ど、どーしたの、一体！ 壊れてるとしたら今のお姉ちゃんだよっ！
よしよし、いい具合にぶっ壊れて、これでちづちづはボクのものなのです。理科はほっといて、どこか遊びに行くのです、ちづちづ。独りにしてほしいのですよ、このバカ理科は。
まあ、独り言だよね、実際。わたしはなにを被害者面してるのだろう、という気持ちが溢れかえっているの。
ほぉら、センチメンタル入ってますよ、木枯らしのような。
センチメンタル……。
メランコリー、そして終わりなきかなしみなのですよー。
なぜひとは傷つけあうのかしら。しかも、回復不可能なまでの斬りあいをして。
どうしよう、みっしー。お姉ちゃん、本格的におかしくなっちゃったよ！
メンヘラーここに極まれり、なのです。いったん険悪になるとメンヘラねーちゃんどもは、相手を精神的にぶっ殺すまで斬りつけあう生き物で、その生態は変えようがないのです。
えー、偏見だよー。
『高慢と偏見』とはよく言ったものなのです。
それはプライドの話でメンヘラじゃないよー。それに、メンヘラハッピーだよ？
なんです？ そのメンヘラハッピーとは。
メンヘラちゃんだって規模の大きなオタサーの姫になったりすれば勝ち組だし……ある意味。
オタサーの姫って……。十年後には通じなさそうな流行語なのです。あと、「規模の大きな」ってとこに猛毒を感じるのですよ、ちづちづ。
ふぅ。疲れた。ルートビアが飲みたいわ。
検索：「疲れた、とは？」
アホなこと考えてるとくだらなすぎて最終的にはルートビアが飲みたくなるのよね。
百合的にはマゾサイダーだねっ！
すっごく通じにくいネタを……。
抽象的で意味がわからないのですが、どうしたのですか、理科。ちょっとネジが緩んでいたのじゃないですか？
たまにあるの、こういうことが。
家でごろごろしてると、息が詰まりそうになるから、余計なこと考えちゃうのよね。無駄に。
換気！（窓を開ける）
理科……、強く生きるのですよ。
まあ、そうだよね。みっしーがさっきと言ってることが全然違うのは大目に見るわ。それと、ちづちづは渡さない。
ボクが『死神』であることを、ゆめゆめ忘れぬよう、気を付けるのですよ……。
さっきからなにに対し、なに言ってるかさっぱりだけど、人間関係は大変だよね、って話でっ！ 終わりっ！
そーだね。
お酒を飲むのです、理科！ ボクは冷酒がいいのです。
じゃ、わたしもウィスキーを。
全くもう。茶番じゃない！
茶番じゃないのです、酒盛りです！
はいはい。肴の用意するね。
支離滅裂だな。
理科のせいなのですが。
誰にでもあるよ、こういうの。
なんだかもう全員言ってることが支離滅裂……。
今回の話は一本筋が通ってないからなのです。もやもやを吐き出してるだけ。でも、通常の会話なんて横道にそれたままになるのがフツーなのです。気にしない気にしない、なのです。
納得できない。ぐぬぬぬぬ……。
