独自方法の理論化、その前にまずは肩の力を抜けよ【中】

文字数 1,482文字

創作教室では多くの若者が「小説の書き方ではなく、プロになるにはどうしたらいいか知りたいです」って大勢迫ってくるというし、アマチュアの創作論がダメなのは「プロじゃない(話者が成功してない)」からだ、って理由だったり、逆に「プロが語っても、個人の成功談の話しか聞けないから自分がプロになるための参考にならないから意味がない」という意見がでて。つまり、聞いてくる奴は「どんな小説を書きたいかじゃなくて、ただたんにプロ作家になりたい」の一点張りだ、ってことなの。それに対して、思うことがあるので、語ろうと思う。
それは痛い話ですね。ちなみにプロになっても、生存率はベラボーに低いのが作家という職業なのですよ? 賞を取ったからあぐらをかいてると即座に寝首をかかれるのが小説の世界なのです。
そもそも「プロに、ほとんどのアマチュア作家はなりたいと思ってる」なかで、プロに確実になれる方法、あったとしてなんでお前に教えなくてはならないのか、という疑問があるの。そして、確実、なんてものはこの世にはないのじゃ。
ただ、ライターで実績を作って小説を書く仕事に繋げるのは、手堅いと思うわね。少なくとも、実績をつくってるその最中にお金が発生するので、続ければプロのライターとは名乗れる。名乗れるだけで、それだけで飯を食うのは基本的には無理な話だけど。
どういうことです、理科。書くことでお金をもらえて飯を食えるのがプロだという定義をしてるひとがたくさんいるのですよ? ていうか、そう思ってる奴らが、全てのプロセスを吹っ飛ばしてプロになれる方法を訊いてくるのでは?
そう。お金に変換できた時点でプロである、ということをまずそこで信じ込むのよ。で、感想ブログの劣化版みたいな内容でも良いので書くライターを募集しているので、そこに応募して採用されること。採用の難度はある程度低いわよ(数年前の話なので、今は知らないけど)。で、週一回は、記事を採用してもらえるように書きまくって、どうにか週一回ペースを維持する。それを三年間続けると、それはライターの実績として堂々と使えるの。嘘だと思うかもしれないけど、そういう経歴のひと、多いわよ。ちなみに、これ、ある種ペテンに近いような、ツッコミどころ満載の成り上がり方だけどね。だって、ライターとしての金で喰ってるわけでもないし。
へー。そんな方法知ってるなら、なんで理科お姉ちゃんはプロではないの?
そりゃ、ライターの話が友達から持ち込まれたけど、蹴った……要するに断ったからよ。その頃ちょうど、ここ、NOVEL DAYSで小説やチャットノベルを書いていて、そのときは軌道に乗っているかに見えたし、何でも良いから書いたことでお金に変換したいという本末転倒な考え方でわたしは小説を書いているわけじゃないからよ!
つまり、どういうことなのです?
お金のために小説を書くのではなく、小説を書いて結果としてお金になったというのが小説書きだとわたしは考えるからよ。小説を書くのがお金を稼ぐ手段だ、っていう思考はバカバカしい。まず無理だし、実現しても作家じゃないわよ、それ。
お金が欲しいんじゃなくて、小説が書きたいのね。それで、プロになれたら万々歳!! ってことかな?
そういうことよ。
さっき理科は三年間、週一ペースで記事を書く、とさらりと言いましたが、その時点でほとんどのひとは無理ゲーなのでは?
わたしのまわりでも最近、「わたしは文才が枯渇した」って言ってたひとがいたんだけど、それには対処法はあるわよ。じゃあ、次はさらっとその話をして、今回は終わりにしましょうか。
次回につづく!!
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登場人物紹介

【田山理科】

 主人公にして家主。妹のちづちづと知らない町に引っ越し、二人で暮らしを始めたが、ちづちづがどこからか拾ってきた少女・みっしーも同居することに。趣味は絵を描くこと。ペインティングナイフを武器にする。

【みっしー】

 死神少女。十王庁からやってきた。土地勘がないため力尽きそうなところをちづちづに拾われて、そのまま居候することに。大鎌(ハネムーン・スライサー)を武器に、縁切りを司る仕事をしていた死神である。

【ちづちづ】

 理科の妹。背が低く、小学生と間違われるが、中学生である。お姉ちゃん大好きっ娘。いつもおどおどしているが、気の強い一面をときたま見せる。みっしーとは友達感覚。

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