あるエージェントのターゲットの話【第三話】
文字数 1,308文字
簡単に言うと社会構築主義とは、人間関係が現実をつくる、という考え方のことなのです。現実の現象や、事実、実態、意味とは、個人の頭の中でつくられるものではなく、人々の交渉の帰結である、とするものです。それにより、言語的に構築される、という立場なのですよ。
そのひとが言うには、攻撃すべき社会構造があらかじめターゲットとして存在し、あらゆるところにそれを見出してしまう、と。だが、その「社会構造」はどこに存在し、その実在と内容をどうやって証明するのか。それに対し、主義者は「自明だ」と言うらしいのです。
でも、主義者じゃない者たちからすると、それは自明じゃない。「社会構造ってなに? どうやって見つけるの? それは反証可能なの?」に対し、その構造が「ある」って前提で話をするのだ、というのです。でも、その構造の「場」が、どの本を読んでも定義づけられていないのだ、とも。
「場」と言ってしまうとハーバーマスの公共やら、フェミニズムと言うとフーコーの話を引き合いに出してしまいたいのもわかるのですが、構造と言えばあのひとの話をしたほうが良いのですよ。あきらかにこの主義のルーツの理論のひとつはあのふたりの理論がまたしても絡んでいるわけですし。
と、いうわけで、つづく!!