探偵ボードレールと病める花々【第一話】

文字数 890文字

理科は、アレですねぇ。現代詩が嫌いだってだけで、詩集は読むのですねぇ。
ん? 今読んでる詩集を見て、言ってるのかな、みっしー。
シャルル・ボードレールの『悪の華』を読むとか、どんだけ厨二病が発動しているのです?
発禁になった詩篇以外にも、「これはちづちづに読ませたくないな」って詩が、それなりの数、存在しているから、ちづちづが学校から帰ってこないうちに読んでおこうと思って。
ちづちづが学校から帰宅する前に読んでしまえば構わないということなのですね?
まあ、そういうことね。
〈近代詩〉は、シャルル・ボードレールから始まるのです。動かしがたい事実です。
ですが、そもそも近代とはなんでしょう。ハーバーマスならば〈未完のプロジェクト〉と呼ぶことでしょうけどね。今なお議論が交わされる「近代化」論を、要約するのですよ。
マックス・ウェーバーだけ読んだんじゃ足りない、というスタンスでの話ね。もっと多角的角度で見ないとならないということ、かしら。
「近代化」という言葉は普通、社会生活の在り方が「近代的」な特徴を帯びているのを意味する言葉として使われてるのです。ですが、近代化の捉え方は一定していないのです。
捉え方はざっくり言って四種類に分類できるのです。
1.「資本主義化」、「市民社会化」など。
2.「近代化」の多面性に注目し、複数の指標を仮設的に設定。設定したものの経験から見る。
3.経済、特に生産力の発展に力点を置いて「工業社会化」を基本指標とする。
4.「近代化」を、ある特殊な歴史的、具体的な事態を指標とするのではなく、そうした諸事態を集約、一般的な超歴史的・象徴的な概念として捉えなおす。……ここに当てはまるのがマックス・ウェーバーの「合理性」などの概念など、ですね。
……くっ! 今回は短いけどここで話を中断して、次回に伸ばしましょう。
これからがいいところなのですよ? 納得いかないのです!
気合を入れんかあああああい! なのです!
なぜに怒られたの……わたし?
近代化の話が次話に持ち越されるけど、今回のお話は「近代詩」のはじまりのひと、

……シャルル・ボードレールについてよ。

   次回へ、つづくわ!

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登場人物紹介

【田山理科】

 主人公にして家主。妹のちづちづと知らない町に引っ越し、二人で暮らしを始めたが、ちづちづがどこからか拾ってきた少女・みっしーも同居することに。趣味は絵を描くこと。ペインティングナイフを武器にする。

【みっしー】

 死神少女。十王庁からやってきた。土地勘がないため力尽きそうなところをちづちづに拾われて、そのまま居候することに。大鎌(ハネムーン・スライサー)を武器に、縁切りを司る仕事をしていた死神である。

【ちづちづ】

 理科の妹。背が低く、小学生と間違われるが、中学生である。お姉ちゃん大好きっ娘。いつもおどおどしているが、気の強い一面をときたま見せる。みっしーとは友達感覚。

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