KKO問題とバーチャル美少女(下)
文字数 2,490文字
美少女の姿をアバターにして活動しているひとたちのことなのです。おじさん率が異様に高いと言われていて、そこで「おじさん」と呼ばれるのです。おじさんである必要性はなく、みんなまるめて「バ美肉おじさん」と呼称されるのですよ。
代表的な活動の場がバーチャルユーチューバーとしてなので、混同されがちなんだけど、広義のバ美肉おじさんは、ネット上で美少女アバターを使って、なにかしらの「活動」を行っているひと全般を指すみたいよ。バ美肉おじさんの活動を「バ美活」と呼ぶ。また、バ美活の内容にはアバターになったときに必要になる種々の「練習」が含まれているの。
練習には美少女の振る舞いを身につけることや、美少女ボイスに特化させるボイストレーニングなどがあるのです。バ美肉おじさんの美少女の振る舞いを「カワイイムーブ」と呼ぶのです。実際にかわいいかどうかは謎なのです。
「美」少女である必然性があるのはやはり転生したときの強さを強調してると思うのです。生き返って福音を届ける感をイメージしてか、それを揶揄して「受肉」って単語を選んでると思われるのです。これは独自解釈なのですが。
バ美肉おじさんは活動資金もあるし、自らキモいと呼ばれる中に突っ込んでいく勇気ある人間、と言えなくもないのです。ですが、KKO、すなわち「キモくて金のないオッサン」は、救いようがないと言われ続けるし、実際に這い上がるのは至難の業なのは明らかなのです。金のあるやなしやは、とても問題なのです。バ美肉おじさんはモテる可能性があるのですが、キモくて金のないオッサンは、敗者そのものなのです。絶望を突き付ける言葉なのですよ。話がズレてるかもしれないですが、キモいにはモテないという意味が内包され、金がないもヒモのにーちゃん以外ではモテないという意味が内包され、これを突き付けられたオッサンはどうなるというのですか。弱者に「キモいおまえが悪い」と突き付けるのが理科の正義なのですか。
モテないならモテない同士で、傷を舐めあえばいいんじゃないかな! 恋愛やモテるモテないに結び付けるなら、バーチャルな仮面は脱ぎ捨てて、傷を舐めあえばいいんじゃないかな! おっさんズなラブ! これが正義だとわたしは思うの。お姉ちゃん風に言うのなら、「逆説的な言い方になるけど」と、前置きしないとならないけど、言うね。逆説的な言い方になるけど、BLは様々な障害を乗り越えることに真の価値があった。ソフトBLが流行ってゆるいところに妄想を働かせることがやおいになっちゃったけど、ボーイズラブの伝統に回帰してみて! 世間からの攻撃を乗り越えたところに、BLの尊さがあったんじゃなかったかな?