第72話 コンプリート
文字数 1,079文字
「ここはいつも騒がしいね」
オクトが三鬼とこんを連れて、
部屋の前で足を止めた。
「ちびちゃんたち連れて、
どこ行くんですか? 」
向井が聞くと、
「僕ブラックプリンスと、
同じレンジャーカットにするの」
「こんはおリボンしてもらう」
三鬼とこんが嬉しそうに説明してくれた。
「ちびっ子のくせに、
お洒落に目覚めてうるさいのよ。
俺にオーダーカットをさせるなんて」
オクトは笑うと、
向井が持っている袋を見た。
その脇からチビ達ものぞく。
「あ~ハンバーガーだ。僕食べたい」
「こんもお腹空いたぁ~」
チビ達のはしゃぐ声に、
「これもらっていいの? 」
後から来たエナトも袋を覗いた。
「どうぞ。おまけもあるので、
一つ選んでください」
「僕悩んじゃう」
三鬼とこんが真剣に悩んでいる姿に、
オクトとエナトが笑いながら、
「俺達のおまけはチビ達にあげていいよ」
歓喜する三鬼たちは二つずつ選び、
嬉しそうにバーガーをもらった。
「じゃあ、
お昼食べたら髪の毛をカットしよう」
オクトはチビたちを連れて食堂に歩いて行った。
「これって冥王たちがハマってる漫画だよね」
「エナトさんは読んだことないですか? 」
「まだ読んでないな。
いま、河原さんの小説が面白いんで、
ちょっとハマって読んでるんですよ」
「あの、未完のやつ? 」
向井が聞くと、
「そう。面白いんだよね。
五巻まで読んだんだけど、
続きものだから、
早く書いてくれないかなと思ってさ」
「なんだか、悩んでるみたいですよ。
冥王のイメージが違うとか」
「ああ、確かに。この本の冥王は、
無慈悲で極悪非道?
実際の冥王を知っちゃうと、
イメージは違うだろね」
「だから、冥王は文句たらたらです」
「なに。
冥王からクレームが入ったの?
あはははは」
エナトが声をたてて笑った。
「現実の冥王はこの景品の事で、
牧野君とくれる人を探して歩いてますよ」
「冥王もこれ欲しいんだ」
「みたいですよ。ほら、
安達君はコンプリートしたんで」
向井は嬉しそうに、
景品見ながらバーガーを食べている安達を、
視線で教えた。
「安達君は明るくなったよね。
以前は表情がなかったから、
分かりづらかったけど」
「初めて甘えられる場所を見つけて、
ちょっと安心できてるんじゃないかな。
小さな子供みたいだ」
アートンもポテトを食べながら言った。
「そうですね。
多分それまでは、
体にかなりの負担がかかって、
自分でもうまく処理が、
出来ていなかったみたいですから。
今のリングは、
過不及無く負荷を軽減してくれるので、
気持ちも楽なんでしょうね。
このまま落ち着いてくれると、
いいんですけど」
三人は早紀と一緒に、
楽しそうにハンバーガーを頬張る安達を、
笑顔で見ていた。
オクトが三鬼とこんを連れて、
部屋の前で足を止めた。
「ちびちゃんたち連れて、
どこ行くんですか? 」
向井が聞くと、
「僕ブラックプリンスと、
同じレンジャーカットにするの」
「こんはおリボンしてもらう」
三鬼とこんが嬉しそうに説明してくれた。
「ちびっ子のくせに、
お洒落に目覚めてうるさいのよ。
俺にオーダーカットをさせるなんて」
オクトは笑うと、
向井が持っている袋を見た。
その脇からチビ達ものぞく。
「あ~ハンバーガーだ。僕食べたい」
「こんもお腹空いたぁ~」
チビ達のはしゃぐ声に、
「これもらっていいの? 」
後から来たエナトも袋を覗いた。
「どうぞ。おまけもあるので、
一つ選んでください」
「僕悩んじゃう」
三鬼とこんが真剣に悩んでいる姿に、
オクトとエナトが笑いながら、
「俺達のおまけはチビ達にあげていいよ」
歓喜する三鬼たちは二つずつ選び、
嬉しそうにバーガーをもらった。
「じゃあ、
お昼食べたら髪の毛をカットしよう」
オクトはチビたちを連れて食堂に歩いて行った。
「これって冥王たちがハマってる漫画だよね」
「エナトさんは読んだことないですか? 」
「まだ読んでないな。
いま、河原さんの小説が面白いんで、
ちょっとハマって読んでるんですよ」
「あの、未完のやつ? 」
向井が聞くと、
「そう。面白いんだよね。
五巻まで読んだんだけど、
続きものだから、
早く書いてくれないかなと思ってさ」
「なんだか、悩んでるみたいですよ。
冥王のイメージが違うとか」
「ああ、確かに。この本の冥王は、
無慈悲で極悪非道?
実際の冥王を知っちゃうと、
イメージは違うだろね」
「だから、冥王は文句たらたらです」
「なに。
冥王からクレームが入ったの?
あはははは」
エナトが声をたてて笑った。
「現実の冥王はこの景品の事で、
牧野君とくれる人を探して歩いてますよ」
「冥王もこれ欲しいんだ」
「みたいですよ。ほら、
安達君はコンプリートしたんで」
向井は嬉しそうに、
景品見ながらバーガーを食べている安達を、
視線で教えた。
「安達君は明るくなったよね。
以前は表情がなかったから、
分かりづらかったけど」
「初めて甘えられる場所を見つけて、
ちょっと安心できてるんじゃないかな。
小さな子供みたいだ」
アートンもポテトを食べながら言った。
「そうですね。
多分それまでは、
体にかなりの負担がかかって、
自分でもうまく処理が、
出来ていなかったみたいですから。
今のリングは、
過不及無く負荷を軽減してくれるので、
気持ちも楽なんでしょうね。
このまま落ち着いてくれると、
いいんですけど」
三人は早紀と一緒に、
楽しそうにハンバーガーを頬張る安達を、
笑顔で見ていた。
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