第91話 冥王と特別室
文字数 1,277文字
「君たちはレイラインというのを、
知っていますか? 」
「五芒星とかですか? 」
ディッセが言うと、
「それも一つですね。
多くの国の古代遺跡は地図上、
何かしらの意図をもって、
作られているのが、
見ても分かると思います。
この国が沈まないでいるのも、
それによって守られているからです。
学者たちが、
長い時間を費やして研究を重ね、
ありとあらゆる説を発表しています。
でも、人はそれを認めたがらない」
「なんで? 」
トリアが不思議そうに聞いた。
「人類は地球上で、
自分たちが一番優れていると、
考えているからです。
もしレイラインを認めてしまったら、
現代のように、
科学も発達していなかった時代に、
どうやって聖地は作られたんでしょう」
「!! 」
二人は小さく息をのんだ。
「この世の全てが、
神の手のひらで、
踊らされているものだとしたら?
私達神もまた、
創造神により誕生させられています」
「冥王も? 」
二人が驚く。
「そうですよ。
なのでこの世には多くの神が、
存在しているんです。
地球滅亡が騒がれていても、
金と権力が蔓延している。
この世界はゲームです。
創造神は指一つで、
いつでもリセットできるんですよ」
二人は黙ったまま冥王を見た。
「私は冥界を司るものとして、
ここにいますが、
下界にも小さな神々がいます。
特別室での命の献上と同じく、
下界の神も、
命という対価で動くものがいます。
それが人柱という生贄なんです」
「止められないんですか? 」
ディッセが聞くと、
「冥界はこの国のトップになりますが、
下界での神の掟には口をはさめません」
冥王が静かに言った。
「そういえば、二年前の儀式のときに、
下界の地域神と冥王は揉めたよね。
冥王が口出ししたので、
赤姫の剣幕はすごかったもん」
トリアが思い返すようにいい、
笑った。
「そのせいで、
安達君には、
可哀想なことをしてしまいました」
「ということは、
安達君の肉体は、
この国のどこかに埋められている…? 」
ディッセが考え込むように言った。
「安達君だけじゃないですよ。
一度の儀式で人柱一つじゃないですから、
多くの生贄の肉体が埋まってます。
魂に関しては冥界で眠らせているので、
時間をおいて再生するつもりですが……
私の代になって儀式は、
三度行われています。
私が管理している人柱の魂も、
安達君を除いても約四十体以上。
肉体は土に還っていますが、
彼らの血肉が、
土地に染みついているので、
結界を動かすことは、
禁忌を冒すことになります。
儀式は大沢と代々の国のトップに、
継承されています。
重要な部分は世襲で続いている、
一部の人間のみに、
受け継がれていくので、
他の派閥が利益を求めて、
むやみに結界を崩し災害へと、
繫げてしまうんですよ」
冥王はため息をつくと続けた。
「質 が悪いのが、
未来の為にと、
多くの情報を他国に売り渡し、
私腹を肥やしてきたことです。
はたから見れば自由な国に見えますが、
気が付けば一党独裁に風向きが変わり、
負が蔓延し、その為に悪霊が増え、
災害国家に変貌しているのが現状です。
人柱は国を沈ませないためにも、
必要不可欠になってしまいました」
黙って聞く二人に、
冥王は険しい表情で話を続けた。
知っていますか? 」
「五芒星とかですか? 」
ディッセが言うと、
「それも一つですね。
多くの国の古代遺跡は地図上、
何かしらの意図をもって、
作られているのが、
見ても分かると思います。
この国が沈まないでいるのも、
それによって守られているからです。
学者たちが、
長い時間を費やして研究を重ね、
ありとあらゆる説を発表しています。
でも、人はそれを認めたがらない」
「なんで? 」
トリアが不思議そうに聞いた。
「人類は地球上で、
自分たちが一番優れていると、
考えているからです。
もしレイラインを認めてしまったら、
現代のように、
科学も発達していなかった時代に、
どうやって聖地は作られたんでしょう」
「!! 」
二人は小さく息をのんだ。
「この世の全てが、
神の手のひらで、
踊らされているものだとしたら?
私達神もまた、
創造神により誕生させられています」
「冥王も? 」
二人が驚く。
「そうですよ。
なのでこの世には多くの神が、
存在しているんです。
地球滅亡が騒がれていても、
金と権力が蔓延している。
この世界はゲームです。
創造神は指一つで、
いつでもリセットできるんですよ」
二人は黙ったまま冥王を見た。
「私は冥界を司るものとして、
ここにいますが、
下界にも小さな神々がいます。
特別室での命の献上と同じく、
下界の神も、
命という対価で動くものがいます。
それが人柱という生贄なんです」
「止められないんですか? 」
ディッセが聞くと、
「冥界はこの国のトップになりますが、
下界での神の掟には口をはさめません」
冥王が静かに言った。
「そういえば、二年前の儀式のときに、
下界の地域神と冥王は揉めたよね。
冥王が口出ししたので、
赤姫の剣幕はすごかったもん」
トリアが思い返すようにいい、
笑った。
「そのせいで、
安達君には、
可哀想なことをしてしまいました」
「ということは、
安達君の肉体は、
この国のどこかに埋められている…? 」
ディッセが考え込むように言った。
「安達君だけじゃないですよ。
一度の儀式で人柱一つじゃないですから、
多くの生贄の肉体が埋まってます。
魂に関しては冥界で眠らせているので、
時間をおいて再生するつもりですが……
私の代になって儀式は、
三度行われています。
私が管理している人柱の魂も、
安達君を除いても約四十体以上。
肉体は土に還っていますが、
彼らの血肉が、
土地に染みついているので、
結界を動かすことは、
禁忌を冒すことになります。
儀式は大沢と代々の国のトップに、
継承されています。
重要な部分は世襲で続いている、
一部の人間のみに、
受け継がれていくので、
他の派閥が利益を求めて、
むやみに結界を崩し災害へと、
繫げてしまうんですよ」
冥王はため息をつくと続けた。
「
未来の為にと、
多くの情報を他国に売り渡し、
私腹を肥やしてきたことです。
はたから見れば自由な国に見えますが、
気が付けば一党独裁に風向きが変わり、
負が蔓延し、その為に悪霊が増え、
災害国家に変貌しているのが現状です。
人柱は国を沈ませないためにも、
必要不可欠になってしまいました」
黙って聞く二人に、
冥王は険しい表情で話を続けた。
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