第104話 活気あふれる休憩室
文字数 1,199文字
「何々? ここはお通夜か? 」
早紀が入ってきた。
「ほら、これ。お土産。
配達でちょっと西方面に、
行ってたんだよね。
名店のわらび餅だよ」
「食べる食べる~♪
早紀、お茶淹れて」
「自分で淹れろ」
牧野を見て早紀が冷たく言った。
休憩室には、
コンパクトキッチンが付いているので、
簡単なものなら、
ここでも作ることが可能だ。
「いいですよ。俺が淹れますから。
早紀ちゃんも飲みますか?
新田君はどうする? 」
「だったら、緑茶淹れましょうか」
新田が向井に近づくと、
棚から急須を取り出した。
「いいね~
いい男が淹れてくれた、
お茶が飲めるなんて、
目の保養~」
早紀もソファーに座ると、
箱からわらび餅を取り出し、
テーブルに置いた。
「早紀が男に振られた理由が見えたな」
「牧野に女がいない理由も見えたな」
「なんだと~」
「なによ。やる気?」
向井達が、
二人のやり取りを笑いながら見てると、
田所が入ってきた。
「賑やかでいいなぁ~」
「いいところに来ましたね。
早紀ちゃんがお土産を持ってきたので、
お茶を淹れてるんですけど飲みます? 」
向井が聞いた。
「飲むよ~食べるよ~」
田所が笑った。
「君たちが来てくれて、
ここも活気にあふれて、
俺達も休憩室にいるのが、
楽しくなったよ」
田所は、
お茶の入った湯飲みのトレイを手に、
牧野達のいるソファーに歩いて行った。
「そういえば俺達が来る前は、
休憩室に特例メンバーがいることも、
少なかったって聞きました」
向井が湯呑を新田に手渡した。
「そうなんだ」
「多分、牧野君のおかげなのかな。
彼が一人いるだけで何人分も、
明るくしてくれるじゃないですか」
「確かに」
二人は楽しそうに、
和菓子を食べながら騒いでいる、
牧野を見て笑った。
それから数日後―――
特別室から戻り休憩室に行くと、
入口のところでエナトと牧野が、
何やら話し込んでいた。
「だからさ、見てよ。あれなのよ」
牧野が休憩室の室内を指さして説明していた。
「俺も田所さんも見たい番組あるし。
何とか大型モニター入れて欲しいんだよね」
「安達君のあの様子じゃ、
離れそうもないですね」
エナトも苦笑すると、
「一応冥王に話して、それから……
とりあえず二、三台用意すればいいかな」
「そうして、お願い」
牧野が言った。
「どうしたんですか? 」
「あっ、向井」
エナトが去ると、
牧野がため息まじりに室内を指さした。
休憩室を除くと、
安達が大画面の前で、
じっとアニメを見ている。
「彼はアニメが好きなんですね」
「好きなのはいいんだけど、
俺達が他の番組を見たいって言うと、
睨むんだよね。
何か占拠されちゃって、
それでモニターを増やしてほしいって、
死神課に頼んだんだ」
「ふぅん……」
安達君のことは、
冥王から少し説明は受けたが、
詳しいことは言いたくないのか、
冥王も口を濁していた。
「あいつ、ちょっと変だよね。
ここに来た時もTVは知ってたけど、
アニメを見て驚いてたもん」
向井も安達と初めて会った時のことを、
思い返していた。
早紀が入ってきた。
「ほら、これ。お土産。
配達でちょっと西方面に、
行ってたんだよね。
名店のわらび餅だよ」
「食べる食べる~♪
早紀、お茶淹れて」
「自分で淹れろ」
牧野を見て早紀が冷たく言った。
休憩室には、
コンパクトキッチンが付いているので、
簡単なものなら、
ここでも作ることが可能だ。
「いいですよ。俺が淹れますから。
早紀ちゃんも飲みますか?
新田君はどうする? 」
「だったら、緑茶淹れましょうか」
新田が向井に近づくと、
棚から急須を取り出した。
「いいね~
いい男が淹れてくれた、
お茶が飲めるなんて、
目の保養~」
早紀もソファーに座ると、
箱からわらび餅を取り出し、
テーブルに置いた。
「早紀が男に振られた理由が見えたな」
「牧野に女がいない理由も見えたな」
「なんだと~」
「なによ。やる気?」
向井達が、
二人のやり取りを笑いながら見てると、
田所が入ってきた。
「賑やかでいいなぁ~」
「いいところに来ましたね。
早紀ちゃんがお土産を持ってきたので、
お茶を淹れてるんですけど飲みます? 」
向井が聞いた。
「飲むよ~食べるよ~」
田所が笑った。
「君たちが来てくれて、
ここも活気にあふれて、
俺達も休憩室にいるのが、
楽しくなったよ」
田所は、
お茶の入った湯飲みのトレイを手に、
牧野達のいるソファーに歩いて行った。
「そういえば俺達が来る前は、
休憩室に特例メンバーがいることも、
少なかったって聞きました」
向井が湯呑を新田に手渡した。
「そうなんだ」
「多分、牧野君のおかげなのかな。
彼が一人いるだけで何人分も、
明るくしてくれるじゃないですか」
「確かに」
二人は楽しそうに、
和菓子を食べながら騒いでいる、
牧野を見て笑った。
それから数日後―――
特別室から戻り休憩室に行くと、
入口のところでエナトと牧野が、
何やら話し込んでいた。
「だからさ、見てよ。あれなのよ」
牧野が休憩室の室内を指さして説明していた。
「俺も田所さんも見たい番組あるし。
何とか大型モニター入れて欲しいんだよね」
「安達君のあの様子じゃ、
離れそうもないですね」
エナトも苦笑すると、
「一応冥王に話して、それから……
とりあえず二、三台用意すればいいかな」
「そうして、お願い」
牧野が言った。
「どうしたんですか? 」
「あっ、向井」
エナトが去ると、
牧野がため息まじりに室内を指さした。
休憩室を除くと、
安達が大画面の前で、
じっとアニメを見ている。
「彼はアニメが好きなんですね」
「好きなのはいいんだけど、
俺達が他の番組を見たいって言うと、
睨むんだよね。
何か占拠されちゃって、
それでモニターを増やしてほしいって、
死神課に頼んだんだ」
「ふぅん……」
安達君のことは、
冥王から少し説明は受けたが、
詳しいことは言いたくないのか、
冥王も口を濁していた。
「あいつ、ちょっと変だよね。
ここに来た時もTVは知ってたけど、
アニメを見て驚いてたもん」
向井も安達と初めて会った時のことを、
思い返していた。
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