第73話 気になるイベント
文字数 1,986文字
「今そこでハンバーガーを配ってるって、
聞いたんですけど」
そういって弥生が入ってきた。
「昼食に買ってきたんだけど、食べる? 」
「食べます。今日は消去が多くて、
場所を離れられなかったから、
お腹ペコペコ~」
向井は笑いながら袋を差し出すと、
「景品もいるなら一つ持って行ってください」
「あ~これね。
冥王と牧野君が騒いでたんだけど、
へえ~あの漫画なんですね。
私も欲しい。これ面白いですよね。
どれにしようかなぁ~」
そういって、
赤い神聖ばあを選んで手に取った。
「弥生ちゃんはばあ推しですか? 」
「そうね。彼女カッコいいんですよ。
こんなおばあさん見たことないし」
弥生が笑ったところで、
エナトが手元を見て言った。
「それ、自分で作ったの? 」
見ると、
ワイヤーアートのリングを付けている。
「ああ、これ? そう。私の趣味」
「綺麗ですね。天然石ですか? 」
向井も細かく編み込まれた指輪を見て、
感心するように言った。
「私、図書館で働いていたでしょ。
そこにワイヤーアートの本があって、
趣味で始めたら楽しくなっちゃって」
「趣味でこんなにすごいの作れるんだ」
アートンもそばに来て指輪をじっと見た。
「覚えるまで時間はかかるけど、
好きな石で作れるし、楽しいですよ。
私はこれを販売もしてたんです」
「えっ? 売ってたの? プロじゃん」
エナトが驚きの声を上げた。
「そんなに大したことじゃないの。
図書館前の通りで月に一回、
ハンドメイド空の下イベントがあって、
そこで売ってたの。
売れれば新しい材料買えるし、
いっぱい作れるじゃない」
「へえ~」
向井も感心するように頷いた。
「じゃあ、
私もみんなと一緒に食べよう」
弥生は笑いながら、
安達と早紀の近くに歩いて行った。
「安達君は全部揃えたの? 凄いね」
安達が持っている、
キーホルダーを見て弥生が声をかける。
「安達君のああいう顔が見られるとは、
私も感慨深いです」
ぬっと現れた冥王に、
向井達が驚いて体を引いた。
「びっくりさせないでくださいよ」
「…………」
意気消沈している冥王に、
エナトが声をかけた。
「何かあったんですか? 」
「田所君も佐久間君も、
キーホルダーは牧野君にあげるって」
「まあ、
子供の方に優先権ありますからね」
アートンが笑う。
「牧野君は子供じゃないです」
「冥王は牧野君よりずっと大人でしょ。
まだバーガーを、
取りに来ていない人いますから、
聞いてみたらどうですか? 」
「そうする。
牧野君にコンプリートされたら、
悔しいです」
そういった後、
「さっき、
弥生ちゃんが指輪を売ってたって、
言ってたじゃないですか」
「言ってましたね」
「私はいいことを思いつきました」
また、変な事じゃないだろうな。
向井が怪訝そうな顔をして冥王を見ると、
「今工房で、
みんなが色々作ってるじゃないですか。
あれをイベントで、
売ってみたらどうでしょう。
題して、
冥界作品を下界のフリマで、
現金収入してみよう作戦? 」
「で、それは誰がやるんですか? 」
「決まってるでしょう。向井君ですよ」
「嫌ですよ。もう。
これ以上仕事を増やさないでください」
「ええ~やろうよ~私が作ったものも、
売りたいです。楽しそうじゃないですか」
「冥王が作ったものなんて、
プレミア? 」
エナトが笑った。
そんな話をしていると、
「シェデム連れてきた」
牧野がシェデムの手を引っ張ってやってきた。
「今そこで牧野につかまった。
ハンバーガー取りに来いっていうんで、
頂きに来ました」
シェデムはそういうと、
「あ~いいにおい。
私お腹が空いてたんですよね」
とバーガーを受け取った。
「シェデムはいらないって言うから、
田所と佐久間の分も入れて、
俺も四種類になったぞ。
あと二種類で全種類だ~」
牧野はどうだというように冥王を見た。
「シェデムも牧野君にあげるなら、
私にくれればいいのに」
冥王の拗ねた言葉に、
「冥王はこれが欲しかったんですか?
前もって言ってくれれば譲りましたよ」
シェデムはそういうと、
バーガーをもって仕事に戻っていった。
「私は確か、
ここで一番偉いはずなのに、
みんな冷たいです」
「人望の問題じゃないの」
牧野はハンバーガーを手に、
ソファーに歩いて行った。
「め、冥王。
みんな冥王が好きだから大丈夫ですよ。
さて、俺も仕事に戻ろう」
エナトはそういうと、
バーガーを手に、
そそくさと部屋を出て行った。
アートンはそれを見てケラケラ笑う。
それと入れ替わりにエルフが入ってきた。
「ハンバーガーがあるって聞いたんだけど」
「ありますよ。どうぞ」
「有難う。あっ、ゾンビ少年。
これも貰っていいの? 」
「いいですよ」
「エルフは貰うんだ」
冥王がぽつんとつぶやく。
「これ面白いですよね。
俺、好きなんですよ」
エルフは楽しそうに、
キーホルダーを揺らしながら出て行った。
「冥王もハンバーガーを食べながら、
ここで待ってたらどうですか?
誰かは譲ってくれるかもしれませんよ」
向井は笑いながらバーガーを冥王に渡した。
聞いたんですけど」
そういって弥生が入ってきた。
「昼食に買ってきたんだけど、食べる? 」
「食べます。今日は消去が多くて、
場所を離れられなかったから、
お腹ペコペコ~」
向井は笑いながら袋を差し出すと、
「景品もいるなら一つ持って行ってください」
「あ~これね。
冥王と牧野君が騒いでたんだけど、
へえ~あの漫画なんですね。
私も欲しい。これ面白いですよね。
どれにしようかなぁ~」
そういって、
赤い神聖ばあを選んで手に取った。
「弥生ちゃんはばあ推しですか? 」
「そうね。彼女カッコいいんですよ。
こんなおばあさん見たことないし」
弥生が笑ったところで、
エナトが手元を見て言った。
「それ、自分で作ったの? 」
見ると、
ワイヤーアートのリングを付けている。
「ああ、これ? そう。私の趣味」
「綺麗ですね。天然石ですか? 」
向井も細かく編み込まれた指輪を見て、
感心するように言った。
「私、図書館で働いていたでしょ。
そこにワイヤーアートの本があって、
趣味で始めたら楽しくなっちゃって」
「趣味でこんなにすごいの作れるんだ」
アートンもそばに来て指輪をじっと見た。
「覚えるまで時間はかかるけど、
好きな石で作れるし、楽しいですよ。
私はこれを販売もしてたんです」
「えっ? 売ってたの? プロじゃん」
エナトが驚きの声を上げた。
「そんなに大したことじゃないの。
図書館前の通りで月に一回、
ハンドメイド空の下イベントがあって、
そこで売ってたの。
売れれば新しい材料買えるし、
いっぱい作れるじゃない」
「へえ~」
向井も感心するように頷いた。
「じゃあ、
私もみんなと一緒に食べよう」
弥生は笑いながら、
安達と早紀の近くに歩いて行った。
「安達君は全部揃えたの? 凄いね」
安達が持っている、
キーホルダーを見て弥生が声をかける。
「安達君のああいう顔が見られるとは、
私も感慨深いです」
ぬっと現れた冥王に、
向井達が驚いて体を引いた。
「びっくりさせないでくださいよ」
「…………」
意気消沈している冥王に、
エナトが声をかけた。
「何かあったんですか? 」
「田所君も佐久間君も、
キーホルダーは牧野君にあげるって」
「まあ、
子供の方に優先権ありますからね」
アートンが笑う。
「牧野君は子供じゃないです」
「冥王は牧野君よりずっと大人でしょ。
まだバーガーを、
取りに来ていない人いますから、
聞いてみたらどうですか? 」
「そうする。
牧野君にコンプリートされたら、
悔しいです」
そういった後、
「さっき、
弥生ちゃんが指輪を売ってたって、
言ってたじゃないですか」
「言ってましたね」
「私はいいことを思いつきました」
また、変な事じゃないだろうな。
向井が怪訝そうな顔をして冥王を見ると、
「今工房で、
みんなが色々作ってるじゃないですか。
あれをイベントで、
売ってみたらどうでしょう。
題して、
冥界作品を下界のフリマで、
現金収入してみよう作戦? 」
「で、それは誰がやるんですか? 」
「決まってるでしょう。向井君ですよ」
「嫌ですよ。もう。
これ以上仕事を増やさないでください」
「ええ~やろうよ~私が作ったものも、
売りたいです。楽しそうじゃないですか」
「冥王が作ったものなんて、
プレミア? 」
エナトが笑った。
そんな話をしていると、
「シェデム連れてきた」
牧野がシェデムの手を引っ張ってやってきた。
「今そこで牧野につかまった。
ハンバーガー取りに来いっていうんで、
頂きに来ました」
シェデムはそういうと、
「あ~いいにおい。
私お腹が空いてたんですよね」
とバーガーを受け取った。
「シェデムはいらないって言うから、
田所と佐久間の分も入れて、
俺も四種類になったぞ。
あと二種類で全種類だ~」
牧野はどうだというように冥王を見た。
「シェデムも牧野君にあげるなら、
私にくれればいいのに」
冥王の拗ねた言葉に、
「冥王はこれが欲しかったんですか?
前もって言ってくれれば譲りましたよ」
シェデムはそういうと、
バーガーをもって仕事に戻っていった。
「私は確か、
ここで一番偉いはずなのに、
みんな冷たいです」
「人望の問題じゃないの」
牧野はハンバーガーを手に、
ソファーに歩いて行った。
「め、冥王。
みんな冥王が好きだから大丈夫ですよ。
さて、俺も仕事に戻ろう」
エナトはそういうと、
バーガーを手に、
そそくさと部屋を出て行った。
アートンはそれを見てケラケラ笑う。
それと入れ替わりにエルフが入ってきた。
「ハンバーガーがあるって聞いたんだけど」
「ありますよ。どうぞ」
「有難う。あっ、ゾンビ少年。
これも貰っていいの? 」
「いいですよ」
「エルフは貰うんだ」
冥王がぽつんとつぶやく。
「これ面白いですよね。
俺、好きなんですよ」
エルフは楽しそうに、
キーホルダーを揺らしながら出て行った。
「冥王もハンバーガーを食べながら、
ここで待ってたらどうですか?
誰かは譲ってくれるかもしれませんよ」
向井は笑いながらバーガーを冥王に渡した。
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