第71話 コラボバーガー

文字数 1,069文字

「忘れてた。
これバーガー買ってきたんですよ。
みんなの分もあるので食べませんか? 
結構な量だったんで、
持って帰るの大変だったんですよ」

向井は袋を見せて苦笑いした。

「お腹空いてたんですよ~」

「俺も」

新田とアートンが嬉しそうに受け取ると、
安達が恥ずかしそうに聞いた。

「新田とアートンはコラボ商品いる? 」

「コラボ? あっこれ、
安達君に譲りたいところだけど、
俺は欲しい。
一つもらっていいの? 」

「うん」

安達は少ししょんぼりしながら、
新田に選ばせると、

「アートンは? 」

と聞いた。

彼は安達の顔を見て理解したようで、

「僕のは安達君にあげるよ」

「有難う」

安達は嬉しそうに笑顔を見せた。

「よかったね。
これで三つ揃ったから、
後は冥王と牧野君に取られる前に、
くれそうな人にお願いしてごらん」

向井はそういうと、

「皆さん、ハンバーガー買ってきたので、
欲しい人は取りに来てください」

と声をかけた。

「バーガー? いるいる」

牧野はソファーを軽く飛び越え、
やってくると、

「おお~
これはあのコラボバーガーじゃん!! 
なに景品付き? 
どれにしようかな……」

牧野が選んでいると、
源じいと真紀子も部屋に入ってきた。

「おっ、
ハンバーガーか。私の分もあるのかな? 」

「ありますよ」

向井が袋を見せると、

「あのさ、
源じいと真紀子さんは景品いる? 」

安達が二人の顔を見ながら聞いた。

「ボンはこのおもちゃが欲しいのか? 」

「おもちゃじゃないよ。
キーホルダー。
もう少しで全種類集まるんだ」

「だったら私はいらんから、
ボンにやるぞ」

「私もあげるから好きなの選んだら? 」

源じいと真紀子の言葉に、

「有難う」

安達が牧野の横から二種類手に取った。

「えっ? お前はそうやって、
みんなからもらってるのか? 
なんとずるい奴め」

牧野がキーホルダーを手にした安達を見た。

「安達君はあと幾つで揃うの? 」

早紀もバーガーを取りに来て聞いた。

「あと一つ」

「だったら私のもあげるから選んだら? 」

「いいの? 有難う」

安達はそういうと一つ手にして、

「コンプリートした」

とニコニコ笑いながら、
全種類を手に眺めた。

「なぬ? 」

その言葉に冥王も小走りにやってきた。

「これは何種類あるんですか? 」

「六種類です。
欲しいならくれそうな人に、
お願いしてください」

向井が説明してると、

「僕はあげませんよ」

「俺も~」

そういってティンとセイが、
笑いながら持って行った。

「これではコンプリートできん」

冥王は顔をしかめると、

「田所君や佐久間君は欲しいかね~? 」

「さぁ? 聞いてみたらどうです」

向井の言葉に、
冥王と牧野が部屋を同時に出て行った。
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