81、スィッフィーンの戦い(2)

文字数 823文字

スィッフィーンの戦いについての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
657年5月、アリーはイラクとヒジャーズから招集した9万の軍を率いてクーファを進発し、ティグリス川の西岸沿いに北上した。砂漠地帯を横断してイラク北部のラッカでユーフラテス川を渡り、シリア国境のスール・ルームで最初の交戦が行われ、イラク軍が勝利をおさめた。一方ムアーウィヤ12万のシリア軍を率いてスィッフィーンの荒野に陣を敷き、川沿いを封鎖して水の供給を確保した上でイラク軍の到着を待ち構えていた。スィッフィーンはアレッポ東方のユーフラテス川西岸に位置する。
両軍ともかなりの大軍ですね。
両軍の戦いは水場の争奪から始まった。最初ムアーウィヤは副将アムル・イブン・アル=アースに1万の兵を預けてユーフラテス河岸を確保させており、戦場に到着したイラク軍は渇きに苦しんだ。そこでアリーはムアーウィヤに使者を送って同じムスリムとして水場を公平に使わせてくれるように依頼したが、ムアーウィヤは明確な返答を与えずに時間を稼ぎ、水場の軍を増強した。
イタリアで行われたポエニ戦争は食料の確保が重要になっていましたが、乾燥した地域では水の確保が重要になってくるのですね。
アリーはこの事態を憂慮し、副将マリク・イブン・アシュタルに命じて河岸の軍勢を攻撃させ、シリア軍を追い払って水場を確保した。そこで今度はムアーウィヤがアリーに水場の使用を求めたが、アリーは側近たちの反対を押し切ってこれを認めた。その結果、両軍の兵士たちのあいだで宥和の雰囲気が生まれ、戦況は膠着状態となった。この間にアリーとムアーウィヤは互いに使者を交換し、相互に非難を繰り返したが、どちらも相手方に非を認めさせることはできなかった。アリーは最後に一対一の決闘で方をつけることを提案したが、これはムアーウィヤによって拒絶された。
やっぱり同じムスリムで相手を知っていたからすぐに戦闘が始まるということにはならなかったのですね。
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