13、ヒポクラテス(6)

文字数 990文字

ヒポクラテスについての続きです。作品集には下の画像から入ってください。
ヒポクラテスは病気を急性、慢性、風土病、伝染病の四つに分類し、「悪化・再発・消散・分利・発作・峠・回復」といった用語を用いた。
風土病と伝染病の違いはなんですか?
風土病はある一定の地域の住民だけに流行した病気で、伝染病は広い地域に広がった病気である。特にペストや天然痘などは長い期間多くの場所で死者を出し、疫病と呼ばれ怖れられてきた。
その他の主な業績としては、胸腔内に膿がたまった状態である膿胸の症状の例や、身体所見、外科治療法と予後についての記述があげられ、ヒポクラテスの教えは現代呼吸器学や外科を学ぶ者にとっても今日的な意味を持っている。ヒポクラテスは文書に記録の残るなかでは最初の胸部外科医であり、ヒポクラテスによる発見の数々は現在でも有効である。
そんな昔から結構いろいろなことがわかっていたのですね。
ヒポクラテス学派は、(その理論の質は高くないものの)直腸の疾患と治療法についても詳しい記述を残している。例えば、痔は胆汁の粘液が多いために起こるものと考えられたが、ヒポクラテス派の医師の施した治療法は比較的先進的なものであった。『ヒポクラテス全集』には望ましい治療法として痔核を結紮(けっさつ、糸などで結ぶこと)し、熱した鉄で患部を焼灼(しょうしゃく)すると記述した文書があり、焼灼器と切除についても記載がある。また、様々な軟膏をつけるといった方法も提案されている。今日でも痔の治療においては、患部を焼灼し、結紮し、切除する過程がみられる。
現代でも痔に悩む人はたくさんいます。命に係わることは少なくても生活に支障をきたすので様々な治療が行われています。痔はヒポクラテスの時代から悩む人がたくさんいて、治療が試みられたのですね。
さらに、『ヒポクラテス全集』には反射鏡を直腸内の観察に利用することについて述べた一節がある。現代の内視鏡も反射鏡の原理を発展させたものであり、この記述は内視鏡に言及した最古の記録ともいえる。
ヒポクラテスと言えば、『ヒポクラテスの誓い』にあるような医者の倫理やモラルなど精神的な影響が強いと思っていたのですが、具体的な病気の治療法についてもいろいろ考え、それが伝えられてきたのですね。
ヒポクラテスは理論だけでなく、実際の治療法についてもいろいろ考え、それを伝えてきた人のようです。
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