50、イブン・スィーナー(3)

文字数 861文字

イブン・スィーナーについての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
その後ジュルジャーン出身のキリスト教徒の医学者サフル・アル・マスィーヒーに師事し、自然学、形而上学、医学を学び、16歳の時にはすでに患者を診療していた。後年、イブン・スィーナーは医学について「さして難しい学問ではなく、ごく短い時間で習得することができた」と自伝で述懐した。とはいえ、この時イブン・スィーナーが使用していたテキストもヒポクラテスやガレノスの著書の逐語訳ではなく、ダイジェストともいえる家庭医学の指南書であり、後年にイブン・スィーナーは医学の奥深さを知ることになる。
このような環境はとてもうらやましく思います。僕は運よく医者の家に15歳で引き取られましたが、大学の医学部に入るためにラテン語や一般教養の勉強で少なくとも5年、大学で5年間学んだとして、無事医者になれるのは10年以上先になります。
しかし、イブン・スィーナーにとってもアリストテレスの思想は難解なものであり、『形而上学』を40回読んでもなお理解には至らなかったと述べている。ある日、ブハラのバザールを歩き回っていたイブン・スィーナーは店員に本を勧められ、一度はいらないと断ったものの、強く勧められて本を購入した。彼が購入した本はファーラービーが記した『形而上学』の注釈書であり、ファーラービーの注釈に触れたことがきっかけとなってはじめてアリストテレス哲学を習得することができた。
本との出会いが人生を大きく変えることもある。私にとって運命の出会いはアヴィセンナの本の一部をラテン語訳したものであった。
ファーラービーが記した『形而上学』の注釈書を読んでみたいです。
イブン・スィーナーは幼少期について、1日の全てを学習に費やし、不明な点があれば体を清めて神に祈ったことを自伝で回想している。勉強の疲れがたまった時にはワインを飲んで気分を回復させ、後年にはワインを詠った詩をしたためた。
僕は自分では結構よく勉強をしていると思っていたのですが、イブン・スィーナーに比べればまだまだです。
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