32、四体液説(5)
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「医術について」では、すべての人に当てはまる最高のバランスがあるわけではなく、人によってその体にふさわしいバランスがあり、また健康にいいものは状況、年齢などによって変わってくると説明される。例えば、体が運動を求めている時の休息、休むべき時の運動は健康的ではなく、同じことが飲食物や薬物に関しても言われた。
また、同じく体液病理説に基づくインド医学も、多くの文献がアラビア語に翻訳され影響を与えた。ギリシャ・ローマ医学に各地の医学を集大成した「ギリシャ・アラビア医学」(ユナニ医学)は、アル・ラーズィー、イブン・スィーナーなど、多様な民族・宗教の学者たちによって発展した。