66、ムゥタズィラ学派(1)
文字数 890文字
ムゥタズィラ学派は8世紀前半にイラクのバスラで創始された。ワースィル・イブン・アター(699年ー748年)が創始者とされているが、独自の学説が確立されたのはアブー・フザイル(751年ー849年)の時代以降だと考えられている。
アッバース朝のカリフ・マアムーンが設立した知恵の館での翻訳活動などの異文化の思考法の積極的な摂取、体系的思考を求める時代を背景にムゥタズィラ学派の思想が確立された。アリストテレスなどのイスラーム世界外の思考法を部分的に借用したムゥタズィラ学派は思弁による解釈を進めていった。
宗教を異なる学問、世界観や文化で合理的に解釈するというのはとてもよいことだと思います。宗教は不寛容で他の宗教に対して攻撃的になりやすい、合理的な解釈を取り入れることで他の宗教に対して寛大になって欲しいです。
ムゥタズィラ学派が初期アッバース朝の保護を受けて繁栄した一因として、四代目の正統カリフ・アリーの即位に対して曖昧な立場を取ったアッバース家を擁護し、ウマイヤ家を弾劾した点が挙げられている。ワースィルはアリーを三代目の正統カリフ・ウスマーンより上の立場においたが、アリーの至上論を認めず、4人の正統カリフに優劣を付けることを避けていた。