48、イブン・スィーナー(1)
文字数 785文字
今回から数回にわたってイブン・スィーナー(アヴィセンナ)についての紹介があるが、現世の作者がアヴィセンナについて知ることは私の悲願だった。私はシチリアにいた時にラテン語訳のアヴィセンナの本の1部を手に入れて感銘を受け、その内容をシチリア語に訳して多くの人に伝えようとした。その後アラビア語の本も手に入れたが、アヴィセンナの本すべてを集めることはできなかった。現世に生きる作者がアヴィセンナの本を日本語訳でよいから読んでくれればこんなうれしいことはない。
イスラム社会が生み出した最高の知識人と評価され、同時に当時の世界の大学者である。「第二のアリストテレス」とも呼ばれ、アリストテレス哲学と新プラトン主義を結合させたことでヨーロッパの医学、哲学に多大な影響を及ぼした。
「頭領」意味するシャイフッライース、「神の証」の尊称でも呼ばれている。中国との交流が多いトランスオクシアナ地方の生まれで名前のスィーナーが「シナ」の発音に似ていることから彼の出身を中国と関連付ける説、アラビア語において「スィーナー」が「シナイ」を意味する点からユダヤ人と関連付ける説も存在する。