2、アスクレピオス(1)

文字数 1,303文字

まずはギリシャ神話での登場人物だが、医学の神で象徴ともなっているアスクレピオスについて紹介しよう。
作品集には下の画像から入ってください。
神話ではアスクレピオスはアポローンとコローニスの子。コローニスはテッサリアのラピテース族の王プレギュアースの娘である。
ギリシャ神話は家系についても詳しく書かれていますね。
アポローンはコローニスを愛して、一羽のカラスを使いとしてコローニスとの連絡係にしていた。このカラスは言葉を話し、その羽は純白だった。
羽が白くて言葉を話すカラスなどいるわけがない。
ラミロ2世、これはギリシャ神話の中の話なので、実際にはいない生き物もたくさん登場します。
あるとき、カラスがコローニスの浮気を告げたために、怒ったアポローンはコローニスを矢で射殺した。このカラスの報告は道草を食っていた言い訳に付いた嘘だったという説と、カラスがうっかり者で早とちりしたという説がある。
いきなり殺してしまうなんて、アポローンはかなり怖いですね。
いずれにしてもアポローンはカラスを罰して言葉を取り上げ、白い羽を真っ黒に変え、天空に曝して償わせた。このカラスの姿が現在のカラス座である。一説にはカラス座のすぐ近くにコップ座があるにもかかわらず、そのくちばしは永遠にコップの水に届かないという。
ギリシャ神話の神は本当に怖ろしいです。
コローニスは身ごもっていることを告げて死んだため、アポローンは胎児を救い出してケンタウロスの賢者ケイローンに養育を託した。この胎児がアスクレピオスである。
ケンタウロスとは何ぞや?
ケンタウロスというのはギリシャ神話に出てくる種族で、上半身が人間、下半身が馬の姿をしています。
なんだそれは。怖ろしい化け物ではないか。ここにいる他の者はよく白いカラスとか馬と人間がくっついた化け物とか、怖ろしい話を聞いて冷静でいられる。
いや、ギリシャ神話のケンタウロスの話とか普通に聞いているから。
そうですね。ギリシャ神話の話は教養として聞いています。
それならばギリシャ神話を知らないのは修道院育ちの余だけということか。ニコラとかいう修道士よ、そなたは修道院の生活が長いのなら異教徒の神話など知らないであろう。
いえ、私はギリシャやローマの古典はかなり読んでいるのでギリシャ神話も知っています。
ラミロ2世、あんまり落ち込まないで。知らない世界を知ることは楽しいから。
ケンタウロス族は野蛮で粗暴な一族であったが、ケイロンだけは例外的な存在で、アポロンから音楽、医学、予言の技を、アルテミスから狩猟を学んだという。
アポロンは医学の神でもあったわけですね。
医学の神にしてはたくさんの人間を殺しているようにも思えるが・・・
ケイロンはペーリオン山の洞窟に住み、薬草を栽培しながら病人を助けて暮らした。
神話となるような古い時代から人間は薬草を使って病気の治療をしていたのだな。
アスクレピオスはケイロンによって養育され、特に医学に才能を示した。
アスクレピオスは医学の神アポローンから生まれ、ケンタウロスの賢者ケイロンに育てられ医学を伝えられたのですね。
その通りだ。やがてアスクレピオスは師ケイロンを凌ぐほどの医者になった。
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