5、マカオン

文字数 1,611文字

今日はアスクレピオスの子の1人で優れた医者であったマカオンについて話をしよう。
作品集には下の画像から入ってください。
これは負傷したメネラーオスを治療するマカオンです。
アスクレピオスの子であるマカオンとポダレイリオスはともに名医であり、特にマカオンは外科、ポダレイリオスは内科に長けていた。
ギリシャ神話は奇想天外な化け物が次々と出て来る割には親子、兄弟の系図はしっかり作っている。
そうです。ギリシャ神話は神様も人間も系図がしっかりあって祖先がだどれるようにできています。
マカオンとポダレイリオスの2人はヘレネーの求婚者の1人でトロイア戦争ではポダレイリオスとともにトリッケーの軍勢30隻を率いて参加した。
トロイア戦争とはなんぞや?
簡単に説明すると美女ヘレネーにはたくさんの求婚者が現れました。父であるスパルタ王テュンダレオースは求婚者が争いを起こすと困ると思い、1人を選んだ後他の求婚者は選ばれた1人に困難なことがあった場合は彼を助けると約束させました。求婚者の中からメネラーオスが選ばれて結婚しました。ところがトロイの王子パリスが来て、ヘレネーはパリスに魅せられ、パリスはヘレネーを連れ去り、トロイア戦争が起きて約束通り求婚者はトロイア戦争に参加することになります。
つまり美女に求婚したばかりに、その美女が浮気して戦争になった時に巻き添えで駆り出されたというわけか。立派な医者の話かと思ったがそうではなさそうだ。
ラミロ2世、立派な医者の話です。
いや、美女に求婚したばかりに戦争に行くことになった者が立派な医者とは思えない。余は生涯の大部分を修道院で過ごし貞操を守った。美女というだけですぐ夢中になってフラフラと求婚してしまうような男が賢いとは思えない。余は王位を引き継いで結婚する時も、相手の家柄や年齢を考え、既に子がいる未亡人を選んでいる。恋愛感情などというものはかけらもない。
でもヘレネーとパリスの物語は有名で、たくさんの画家が絵に描いています。
浮気をした美女の絵が好きだという気持ち、余にはさっぱりわからない。
マカオンはアスクレピオスがケイロンから授かった薬を持っており、ギリシャ軍の軍医的存在でもあった。
私も戦場で怪我人の手当てをしたことがあるが、時には手荒なこともしなければならないから軍医は大変だ。
最初の絵のタイトルがメネラーオスの治療をするマカオンでした。メネラーオスが美女ヘレネーの夫で妻を取り返すために戦争を始めたとしたら、彼が死んでしまったら困るから、マカオンは大きな仕事をしたことになります。
『イーリアス』初日、マカオンはパンダロスの矢に傷つけられたメネラーオスをケイローンの薬で癒し、3日目には最大の激戦区だったスカマンドロス河沿いでイードメネウス、ネストールとともに戦った。しかしパリスの矢を受けた。
パリスという男はただ美女ヘレネーをさらっただけでなく、それなりに戦闘能力も高かったということか。
マカオンはパリスの矢を受け、それを見たイードメネウスはネストールに「傷の手当てができる者は他の者より何倍も価値があるから」と言い、マカオンを戦場から運び出すように頼んだ。そこでマカオンはネストールの戦車に乗って戦場を脱出したが、それを見たアキレウスは心配してパトロクロスをネストールの陣に遣わした。後にマカオンはニーレウスとともにテーレポスの子エウリュピュロスに討たれた。あるいはアマゾーンの女王ペンテシレイアに討たれたとも言われている。
結局マカオンは戦場であんまり活躍していないですね。
フェリペよ。そなたも医者になるならば美女に求婚してはいけない。
え、どうしてですか?
医者になる者はたくさん学ばなければならなくて、戦闘技術を磨く余裕がない。だから戦争に行かなければいけないような美女ではなく、普通の女性と結婚するのがよい。
わかりました。覚えておきます。
この話はそういうつもりではなかったのだが・・・
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