104、マルワーン1世(2)

文字数 861文字

マルワーン1世についての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
このイスラーム共同体の指導者の地位への志願は、地位の継承に関する三つの発展途上にあった原則の間の対立を露呈することになった。イブン・アッ=ズバイルの一般的な認識としては、最も公正であり優れたイスラーム教徒に指導者の地位を譲るというイスラームの原則に則っていた。一方ジャービヤの部族長の会議でウマイヤ朝の支持者たちは他の二つの原則について議論した。ムアーウィヤの若年の孫のハーリド・ブン・ヤズィードの推薦に象徴されるムアーウィヤが導入した世襲による継承、そしてマルワーンの場合に象徴される部族の指導的な一族の中で最も賢明で有能な人物を選択するというアラブ部族の規範である。
この時はまだ指導者の地位の継承についてはっきりした規則がなく、そのために様々な争いが起きているのですね。
ジャービヤの会議の主催者であり、ヤズィードの母方の従兄弟で強力なカルブ族の族長であったイブン・バフダルはハーリドの擁立を支持した。しかし、ジュザーム族のラウフ・ブン・ズィンバーとキンダ族のフサイン・ブン・ヌマイルに主導された他のほとんどの族長は、ハーリドの若さと経験不足を上回るマルワーンの円熟した年齢と政治的な判断力、そして軍事経験を引き合いに出してマルワーンを支持した。
それぞれの部族の利益も絡んで複雑になっていますね。
9世紀の歴史家のヤアクービーは、マルワーンを賞賛するラウフの発言を引用している。「シリアの人々よ!この人物がクライシュ族の長であり、ウスマーンの血の仇を討ち、ラクダの戦いとスィッフーンの戦いでアリー・ブン・アビー・ターリブと戦ったマルワーン・ブン・アル=ハカムだ」
このような状況での話し合いは、冷静に事実や根拠を述べるだけよりも、血の復讐や敵を悪く言った方が、感情を煽って有利になるのではないかと思いました。これは僕達の時代でも同じです。相手を批判して自分たちが正しいと信じ込ませ、感情で煽った方がより残酷になって有利になり、歴史で主導権を握っています。
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