7、ヒュギエイアとパナケイア

文字数 1,343文字

今日はアスクレピオスの娘ヒュギエイアとパナケイアについて話をしよう。
作品集は下の画像から入ってください。
この絵はグスタフ・クリムトの描いた『ヒュギエイア』です。
ギリシャ神話の登場人物という感じではないですね。
グスタフ・クリムト(1862ー1918)は19世紀から20世紀のオーストリアの画家なので、ルネサンス期とは作風がかなり違います。
ヒュギエイアの画像を調べたら、こういう彫像も出てきました。父アスクレピオスのそばに娘のヒュギエイアがいるのだと思います。
アスクレピオスの息子のマカオンは美女に求婚してトロイア戦争で戦死し、ポダレイリオスは天が墜ちてくるのを心配して山に囲まれた場所に住むことになった。息子たちがあてにならないから娘がそばにいるのか?
いえ、そういうわけではないと思います。
ヒュギエイアはギリシャ神話に登場する女神で、健康の維持や衛生を司る。ローマ神話ではサルースの名で呼ばれる。
ヒュギエイアは女神として信仰されていたのですね。
医術の祖アポローンの子である医神アスクレピオスの娘で、古くはアスクレピオス信仰において父神の脇侍として信仰された。父神と同様に一匹の蛇を従えた若い女性として絵画に表されることが多く、薬か水を入れたと思しき壺(または杯)を携えていることもある。この蛇と杯をモチーフにした「ヒュギエイアの杯」が薬学のシンボルに用いられることが多い。
「アスクレピオスの杖」が医学のシンボルとなっているように、「ヒュギエイアの杯」は薬学のシンボルになっているのですね。
アスクレピオスの信仰が広がるにつれてヒュギエイアに対する信仰も強くなり、女性神格であったことも影響して後には女性の健康を守る神、特にいわゆる婦人病に関しては大きな権能を持つとされ、当時の女性の間に彼女の絵姿や小さな彫像を髪飾りにすることなどが流行した。
神話の登場人物というよりも女神として信仰されていたわけですね。
ローマ神話において、サルースは健康と繁栄をもたらす女神として崇敬され、紀元前302年にはローマの七丘の1つ、クイリナーレの丘に神殿が建てられた。
健康は大事です。私は10人の子がありましたが無事育ったのは娘2人だけ、私自身も40代で死んでいます。健康と繁栄をもたらす女神の神殿があるなら、今からでもお参りに行きたいぐらいです。
パナケイアはギリシャ神話に登場する癒しを司る女神で、ローマ神話ではパナケアと呼ばれる。
パナケイアの画像は見つかりませんでした。
パナケイアもまた医術を司る神アポローンの孫で、アスクレピオスの娘たちの1人である。その名前には「全てを癒す」の意味があり、中世の錬金術師たちがエリクサーや賢者の石の材料と考えた霊薬の名ともなった。
え、賢者の石の材料ですか?
錬金術や賢者の石については説明が長くなるので、ここではこれ以上話さない。
難しいことはよくわからないが、余は最初に見たキンキラした絵が気になった。あのような絵は修道院では見ることはできない。
クリムトの絵ですか?
よくわからぬが、強く心惹かれた。
僕の生きた16世紀には、まだこのような絵はありません。もっとずっと後の時代です。でも、よくわからないけど、心惹かれたり気になる絵があるというのは、すごくいいことだと思います。
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