3、アスクレピオス(2)

文字数 1,342文字

アスクレピオスについて続きを話そう。
作品集には下の画像から入ってください。
ケイロンのもとで育ったアスクレピオスは。特に医学に才能を示し、師のケイロンさえ凌ぐほどであった。やがて独立したアスクレピオスはイアーソーン率いるアルゴー船探検隊にも参加した。
アルゴー船探検隊とはなんぞや?
アルゴー船というのは船大工のアルゴスが作ったのでそう呼ばれています。英雄イアーソーンがコルキスの黄金の羊の毛皮を求める冒険のために建造されました。アルゴー船の乗組員には勇士50人が募集され、これに応じてヘーラクレース、双子のカストールとポリュデウケース、オルペウス、リュンケウスなどギリシャ神話で活躍する英雄たちが乗り込んだと言われています。
英雄たちが乗った船に一緒に乗れるということは、それだけアスクレピオスも強かったということか。
その医術の技はますます熟達し、アテーナーから授かったメドゥーサの右側の血管から流れ出た蘇生作用のある血を使い、ついに死者まで生き返らせることができるようになった。
メドゥーサとはなんぞや?ギリシャ神話というのはわけのわからない怪物が次々と登場するから頭がクラクラしてくる。
メドゥーサは元々は美少女でしたが、アテーナーの怒りをかって、醜い怪物にされてしまいました。髪の毛は毒蛇で、その姿を見た者は石になってしまうそうです。
髪の毛がヘビでできているなんて、なんて怖ろしい怪物だ。
大丈夫です、ラミロ2世。メドゥーサも神話に出て来るだけで、本当にはいません。
メドゥーサは怖ろしい怪物だが、その血は死んだ者を生き返らせる力を持っていた。アスクレピオスはカパネウス、リュクールゴス、アテーナイ王テーセウスの息子ヒュッポリュトス、テュンダレオース、ヒュメナイオス、ミーノースの子グラウコスらを蘇らせたという。
死んだ者を蘇らせるということは、実際にはできないことだとわかっています。でもそのようなものがあるとしたら手に入れたいです。
現代は医学も進歩して、昔なら助からなかった病気でも治すことができるようになりました。でも1度死んだ者を生き返らせることは現代の医学でもできません。
もし、死んだ者を蘇らせることができるなら、僕は亡くなった母さんを生き返らせたいです。母さんは僕が5歳の時に病気で亡くなり、父さんはすぐに再婚しました。新しく来た継母に僕は苛められ、7歳の時には修道院の中にある孤児院に預けられました。修道院の生活に僕はなじめず、毎日泣いてばかりいました。10歳の時には死んで母さんに会いたいと思い、食事も仕事も何もかも拒否したこともあります。
あの頃のフェリペは本当に心配だった。だが私が勉強を教えることで、彼は立ち直ってくれた。
ニコラス先生には本当に感謝しています。でも僕はアスクレピオスが死者を蘇らせた気持ちがよくわかります。彼も生まれる前に母を失っています。愛する者を失いたくない、無理とわかっていても死なせたくないし死んだ者を蘇らせたい、そんな気持ちがアスクレピオスの医学の原点だと思うのです。
フェリペの言う通りである。昔も今も目の前の患者を苦しみから救い、命を守るのが医者の仕事だ。だが、アスクレピオスは使者を蘇らせてしまい、そのことで神の怒りをかうことになってしまった。
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