78、ラクダの戦い(3)

文字数 949文字

ラクダの戦いについての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
656年12月、バスラ郊外のワーディー・サブア(「ライオンの涸れ谷」の意)でアリー軍と反乱軍は対峙する。アリーがタルハにバイアの不履行を詰ると、タルハは先のバイアは脅迫されて行ったものだと言い返した。またアリーはズバイルの多くの非を指摘した後でムハンマドの「汝が不義を為している時に限って彼と戦うものである」という言葉を引き合いに出し、ズバイルは軍の引き上げを了承した。
この時はまだアリーなど多くの者がムハンマドが生きていた時を知っていて交流があり、ムハンマドの言葉には従うという共通点があったわけですよね。
しかし、ズバイルは息子のアブドゥッラーの言葉を容れ、再びアリーと対陣した。戦闘の前夜にアリーは反乱軍の説得を試みて和解を呼びかけ、一度は反乱軍も提案を聞き入れかけた。しかし、夜間に処罰を恐れたウスマーン暗殺の参加者たちは反乱軍の陣営に襲撃をかけ、反乱軍はアリー側の攻撃と誤認して戦闘の準備を再開する。そして、反乱軍の動向を知ったアリーは彼らに和解の意思がないとみなして開戦を決意した。
お互いに和解をしようとしていたのに、誤解で戦闘になってしまったというのは怖ろしいです。
戦闘中にタルハは流れ矢による出血によって落命し、ズバイルはメディナに退却する最中に殺害される。昼過ぎ、アーイシャは輿を付けたラクダに乗って戦闘の中止を呼びかけ、一度は戦闘が中断されたが、ウスマーンの殺害者たちがアーイシャに攻撃を加えたために戦闘は再開される。
ウスマーンの殺害者というのがやっかいですね。
アーイシャはアスカルという名のラクダに乗り、陣頭に立って紅の籠の上から味方を鼓舞し、アリー軍を罵倒した。アスカルの周りで激戦が起き、アリーの兵士がラクダに矢を射かけたとき、70人ほどの反乱兵が身を挺してアーイシャを守り戦死する。この様子を見ていたアリーはラクダの脚を攻撃するように命令し、反乱軍が逃走した際にラクダのひかがみが切りつけられた。ラクダの籠は取り外され、アーイシャは捕虜となった。反乱軍の兵数は約30,000人、アリー軍の兵数は約20,000人であり、戦死者は両軍合わせて10,000人に達した。
かなり激しい戦闘になってしまったのですね。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色