99、ヤズィード1世(9)

文字数 864文字

ヤズィード1世についての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
メッカでフサインはアリー家を支持するクーファの住民から手紙を受け取り、ヤズィードに対する反乱を率いるように要請された。これを受けてフサインはクーファの状況を見極めるために従兄弟のムスリム・ブン・アキール(以下、イブン・アキール)を派遣した。フサインはバスラへも手紙を送ったが、手紙を携えた使者はバスラの総督のウバイドゥッラー・ブン・ズィヤード(以下、イブン・ズィヤード)へ引き渡された上に殺害された。
使者を殺害するというのは酷いです。総督は人によって考え方ややり方が大きく違い、そのことが後の歴史を変えているようにも思います。
イブン・アキールはクーファで獲得した大規模な支援をフサインへ報告し、都市に入るように促した。
この時イブン・アキールはフサインの反乱は成功すると信じて疑わなかったと思います。
一方でヤズィードはクーファの部族の指導者たち(アシュラーフ)からこれらの不穏な状況の報告を受け、アリー家支持派の活動に対して行動を起こすことに消極的であったクーファの総督のヌゥマーン・ブン・バシール・アル=アンサーリーをイブン・ズィヤードに交代させた。そしてイブン・ズィヤードはイブン・アキールを処刑するか投獄するように命じた。
反乱の疑いがある中では、慎重に行動する者よりも、疑わしい者を殺して手っ取り早く結果を出した者が評価されがちですが、そうしたことが争いを大きくする原因になっているように思います。
イブン・ズィヤードの弾圧と政治工作の結果、イブン・アキールは次第に支持者を失い始め、予定よりも早く反乱を宣言することを余儀なくされた。しかし反乱は失敗に終わり、イブン・アキールは処刑された。
このような状況をムハンマドやイスラムの神が望んだとは思えません。慎重になろうとした者よりも相手を挑発して反乱を起こさせた者の方が手っ取り早く結果を出したとして評価される、このようなやり方は間違っています。恨みは後の世代まで続き、争いを繰り返すことになってしまいます。
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