46 2015・6・7(日) 熊澤世紀 評 1 

文字数 2,566文字



 2015・6・7(日)
 浦山さん
 感想が出来たのでお送りします。

 頂いた原稿は、こちらの旧式ワードでは開けず、一太郎で展開しました。
 従って、感想のページは一太郎のページ番号です。
 一太郎からワードに変換するとページがずれるので、一太郎に変換したPDF(感想のページ番号と一致)も送らせて頂きます。
 
 感想は、一太郎よりワードに変換したDOCです。
 展開など問題があればお知らせ下さい。

 大いに勉強になりました。

 全くの不信心者ですが、年に一度だけ拝める鑑真和上に参拝するため、昨日唐招提寺に行って参りました。"
 数あるお守りの中から選んだのは、もちろん「学業成就」苦しいときの神頼みです。
 *
『夜が匂う夏』感想  熊澤世紀 

1p上 父親の→父親の寛之 ここらで出していた方が
1p上 相手をしてくれる 何の? 誰の
缶は、卓袱台の茶碗にぶつかって 「ぶつかる」もう少し大きいもののイメージ

裏庭の無花果の木に、いくつもの実がなっている。この二日間、好きなだけ取って口の中がざらつくまで食べたことを後悔した。それに、母親の目を盗んで食べるのがおいしいのだと分かった。
1p下
○稔は慌てて中腰になって、ハエ捕りリボンを動かした。 何のために、どのように動かした
 動かすという動詞の曖昧さ 白い蝶を助けるためのアクション?

○ くみ取りなので、便を落とせば跳ね返ってくる、その描写

○ その場で行進をするように踏みつけて 行進は前に進む?

 台所から水を入れたバケツを運んでから  「から」の重複

○ 廊下の壁際に押し込んでいた金ダライを下に敷いている厚いビニールを掴んで引っ張り出す。
 厚いビニールに掛かる語が長すぎ頭でっかち

 金ダライの残り水を裏庭に捨てて、バケツに汲んできた水で洗い流した。
 水を捨てて水で洗い流す?

○ 達也のランニングシャツに汗が浮いている。
 シャツに汗が浮く?

2p上
○昨日、母親の内職を受け取りにきたおじさんに言い訳した言葉を繰り返す。
  おじさんとは?

●ひろしの家は、もうテレビ観せてもらえへんようになったわ」
ひろし 誰?達也との関係?

● 昨夜(ゆうべ)咲子の弟が、うんこを漏らしたんや。それもぴちぴちやったんで、半ズボンの隙間から流れたんや。咲子は、四歳やのに十五分ぐらい我慢しいって怒るし、弟は大泣きしてえらい騒ぎやった」
 咲子 誰?  達也との関係?

● この二日間
( 昨日、母親の内職を受け取りにきたおじさん =今は母親が出て行って何日目?
 昨日は母親がいた?

●2p下 金田雪子が待ち構えていた。
 同級生の金田雪子が 従兄弟の金田雪子が、とか。

三日月と目を合わせないようにした。
した、とは?

○横目で様子を伺うと、堂々と路地の真ん中を進んできた三日月は、稔たちの前で足を止めた。
犬と、稔の位置関係?

3P下 隣の家から 稔の家との位置関係、長屋? 一戸建て?

○「焼肉」 焼肉なんてものがこの時代にあったの? 
 私の田舎では昭和45年ころまで焼肉の記憶なし。

 アーケードに入ると薄暗く感じた。まばらな人影が動いている。
「感じる」は心理的なので、
 「アーケードは薄暗く、人影もまばらだった」くらいでは?

○11p下 背の高い子が、そう言い捨てると逃げるように走って行った。 ?
 実際逃げたのだから 背の高い子が言い捨てて、走り去った。 くらい?

● 「淫売なんか、放っとこ」 この決定打に対する明美の反応、或いは全く反応しない

● 明美は誰かの悪口 具体的にちょっと知りたい

 朗らかな明美を、稔は複雑な思いで見つめた
 ここまでの濃密で張り詰めた書き方と、ちょっと違う、楽したような表現
 むしろ、アクションで示した方が、じっと、ぼんやり、食い入るように

○寛之さんに限って 寛之=父親
 稔は後藤の目尻に出来たしわが、 後藤=船場のおっちゃん?
 久しぶりの登場なので忘れているかも

15p上 父親も立ち上がって向かい合った 
 身長の違いは大丈夫?

 父親が手にしているノミを見て、座卓の上に置いた。 誰が見て何を置いたのか?
 
 ひとりになった部屋は、稔が唾を飲み込む音まではっきりと聞こえるほど深く静まりかえっていた。稔は用心深く耳を澄ませた。薄い壁を隔てた照代の家からは、テレビから流れるような会話が聴こえる。反対側の隣の家からは、騒がしい足音が振動となって身体に伝わってきた。
 文章に齟齬があるように感じます

○ 雪子の父親の金田 ここだけ親切

16p ほら、線路の道の方へ歩いてるやろ」
「居たわ。おっちゃん、早よ下ろして!」
「忙しい奴やな」
 足が地面に着くなり稔は駆け出した。
 母親を探しながら走る稔を、電車が追い越す。 (見失わないように?)
 通過する明かりに照らされた母親の後ろ姿を見つけた。(もう一度見つけた?)

 明かりに照らされる 照らされるのなら、かなり強い光、ヘッドライト? テールランプ  窓の明かりなら、照らされるは?
 素晴らしい光景だが、ローケーションとアクションが分かりにくい。
 線路の方とは? 歩道、踏切
 稔が走っているのは、 電車と平行?なら、母との位置関係は?

● 最後の場面について
「ごめんやで、堪忍してな。みのるを連れて出ると、もう家に帰ることがでけへんようになると思ったんや」
 母親に抱きしめられる。明美とは違う匂い、安心できる匂いだった。
「稔、ひょっとしたら、お母ちゃんを待ってたんか」

 素晴らしい場面ですが、金田に抱かれて母を探している、尻切れトンボのような終わり方、
 つまり明美にも思いを残すような終わり方もあったのでは、と感じました。
 なぜなら、4p当たりから、読者(熊澤)が寄り添ってきたのは明美であり、その明美が、圧倒的な魅力と存在感で立ち上がり、物語全体を支配しているからです。

 母親は、実体が余り感じられない「理念としての母親」に感じられます。
 この間母親が何をしていたのかは、「稔ちゃんのお母さんも勝手なことしてはるで」9p程度しか伝わらず、どれほどの葛藤があったかは、稔の頭の中にしかありません。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み