第七章 ニセ百円札 あらすじと登場人物
文字数 1,510文字
あらすじ
雪子が小学一年生になり、稔が過保護なまでに面倒をみる。
六年生の華房由紀夫を中心とする『交換会』に稔は律子に頼まれて連れて行く。そこではオモチャの百円札に<華房>と赤い印を押してある華房紙幣が使われていた。
華房は倉井小百合を生徒会会長、自分は副会長になって、学校で『交換会』を開催しようと考えているが、『交換会』の存在を知った校長先生たちと対立することになる。
小百合の応援演説をした稔も華房の一味だと思われる。
そんな時、駄菓子屋のおじさんが騙されて、華房紙幣の百円札を使われ、おばさんが雪子が犯人だと決めつける。
雪子を守るために、稔と達也と長沢は行動する。
新しい登場人物
華房由紀夫(はなふさ・ゆきお)
六年生。律子の元同級生。
春香(はるか) 華房が「あの人」と呼ぶ謎の人。
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大宮祐輔(おおみや・ゆうすけ) 由紀夫の同級生。
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駄菓子屋のおじさん オモチャの百円札を使われる頼りないおじさん。
駄菓子屋のおばさん 犯人捜しをする恐いおばさん。
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校長先生
東野先生 中年の男教師。稔の担任。
大塚先生。 若い女教師。達也の担任。
松村先生 五十代の男教師。雪子の担任。
これまでの登場人物
浦山 稔(うらやま・みのる)
通称「みのる」。五年十二組。
食べ物の好き嫌いが多くて痩せているので、「骨皮筋衛門」とからかわれている。
絵を描くのが得意。
文江(ふみえ) 朝から夜までミシンかけの内職をしている。
ラジオから歌が流れると一緒に口ずさむ母親。
寛之(ひろゆき) 工場から帰ると、仏像を彫っている寡黙な父親。
左の肩甲骨に沿って何かにえぐりとられたような傷跡がある。
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植野達也(うえの・たつや)
通称「達(たっ)ちゃん」。稔の幼馴染み。五年四組。
父親が、会社重役の運転手をしているので、自動車に詳しい。
美也子(みやこ) 達也の姉。中学三年生。
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金田雪子(かねだ・ゆきこ)
通称「ゆきこ」。六歳。小学一年生
「みのるくんのお嫁さんになってあげる」が口ぐせ。
律子(りつこ) 通称「律(りっ)ちゃん」。雪子の異母姉。小学六年生。
小さい頃の交通事故のせいで、今も右足を引きずって歩いている。
和子(かずこ) 雪子の母親。律子の義母。
裕二(ゆうじ) 雪子の父親。香具師(やし)で縁日や祭礼でバッタ物を売っている。
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長沢真一(ながさわ・しんいち)
小学五年生。稔と同じ登校班、公園で遊ぶ仲間。中学三年生の姉がいる。
自転車を持っていることを自慢している。父親は長沢診療所の院長。
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山本雅史(やまもと・まさし)
通称「雅(まさ)やん」。中学一年生。松月公園で遊ぶグループの元リーダー。
博史(ひろし) 雅史の弟。小学三年生。
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倉井小百合(くらい・さゆり)
東京からの転校生。達也と同じ五年四組。風紀委員長。父親は銀行の支店長。
身体が大きいので、達也に「メスゴリラ」とからかわれている。
中学三年生の姉がいる。
小百合の母親 気位の高い女性。自動車を運転する。
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増井隆司(ますい・たかし)
稔が「たかし兄ちゃん」と慕う青年。向かいの家に母親と二人で住んでいる。
夜勤の工場勤務で青白い顔をしている。組合活動家でレーニンの信奉者。
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ねこバア
松月公園に隣接している墓地の世話を、頼まれもしないのにやっている猫好きの老婆。
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豊中先生 稔が四年の時の担任。
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ニセ百円札 1 に続く。