112 『いびつな夏の月』 南方祐樹 評 1

文字数 1,779文字


 今夜は、この時間まで、浦山さんの作品に取っ組み合っていて、
 いま、コメントを書き尽くしたところです。
 朝ですね(笑)

 そしたら、本人からメールが来ててびっくりしました。
 さすが浦山さん。

 ところで、この二、三週間、完全にやる気を失って、仕事に精を出しておりました。
 出張で駆け回ってるうちに体もいわして、今日は久しぶりにだらっもしながら、
 文學界はおそらくこのままスルーかな。
 とか思ってるところに、今夜急に浦山さんの作品の分析をはじめる気になって、もりもりと小説脳を取り戻してるうちに朝を迎えました。

 まあ、自分は、いまは、小説はうまく行く気が全然しないですね。
 日本人の現代小説にも、批評家にも、小説家にも、自分の筆力にも絶望してます。


 ここで、このあとの内容がわかりやすいように、ぼくが送ったメールを紹介しておくね。

 南方くん、浦山です。
「文」とは何か 愉しい日本語文法のはなし」  橋本陽介(光文社新書) – 2020/8/18
 面白そうな本を教えてくれてありがとう。

 橋本陽介を知らなかったけど、
 サピエ図書館で検索すると3点がヒットしたよ、

1)日本語の謎を解く 最新言語学Q&A(新潮選書)
 8時間30分
「赤い」「青い」とは言うのに「緑い」と言わないのはなぜ? 
「は」と「が」はどう違う? 
「全然、大丈夫」という表現は間違いか? 
 日本語の起源から音声・語彙・文法・表現まで、素朴な疑問に、最新の言語学で答えます。

2)「ノーベル文学賞を読む ガルシア=マルケスからカズオ・イシグロまで」(角川選書)
 8時間35分
 現在、世界の文学で何が注目され、何が話題を呼んでいるのか。
 世界で認められる文学作品が紡がれる技術とは。
 1980年代以降、小説でノーベル文学賞を受賞した作家とその作品の内容を入門的に解説。 
 世界文学の「今」に迫る。

3)「使える! 「国語」の考え方」
 8時間22分

 それと、ジュネットも検索してみた。
 すると、ヒットした!

「物語のディスクール 方法論の試み」水声社 1985年
 ジェラール・ジュネット 花輪光 和泉涼一 訳
 25時間11分
 
 これ、25時間だもんな。
 1日1時間、1ヶ月かけて聴いてみようかな。
 でもでも、南方くんと脳内構造がちがうので
 きっとチンプンカンプンだろうな。

 そうそう、ぼくも面白そうな本に出合ったよ。
 もう知っているかと思うけど、一応紹介するね。
「素晴らしきソリボ」 パトリック シャモワゾー
 カーニヴァルの夜、聴衆を前に夜を徹して語っていた語り部ソリボは「言葉に喉を掻き裂かれて」死んだ。居合わせた14人の聴衆は執拗な取り調べを受け、めいめいがソリボとその最後の語りについて証言することに…。

「言葉に喉を掻き裂かれて」で、すぐに南方くんの「唄う男」を思い浮かべたよ。

 では、次の組会で会えるのを楽しみにしています。


 ジュネットの本は、ぼくも8千円くらいで買った記憶があるから、図書館で借りて聴けるなら、お得です。
 でも、止めながら繰り返し聞かないと、よくわからない箇所が多いよ。
 でも、芯が一本通るかんじがします。
 錯覚だけど(笑)

 描写と説明、についても、これからは便利な批評用語だけど、ほんとはキッパリとは分けられない、あいまいな領域で接してることも分かります。
 叙述される内容と叙述そのものの、相対的な時間関係で決まります。
「焦点化」に関するところだけ読んでもよいとおもいます。
 誰が見ているか、何を見ているか、そして、それを誰が語っているか、ということです。

 あとは、どう語るのか、どこから語るのか、がきっちり説明されています。

「素晴らしきソリボ」は、かつて、「唄う男」という小説を書き上げた冬に刊行されて、たいそうぼくを落ち込ませた呪いの小説です。
 自分とほとんど同じだとおもいましたが、よくみると向こうはマルティニーク島を背負っています。こっちは何にも背負っていません。

 次の組会は、まだ参加できるか分からないので、とりあえず、これを送ります。
(〆切も近いし、早めのほうがいいですよね)

 添付資料をごらんください。

小説の最後にコメントを書いています。
ところどころに付けてある色分けには意味があります。それも最後に書いています。

 浦山さん、文學界新人賞まで、もうひと踏ん張り!

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