第125話

文字数 476文字

 俺は血振りをした。北の方角と東の方角から並々ならぬ龍の気が大勢迫って来ていた。水淼の山岩龍や糸のように天まで届く細長い龍や1万歳くらいの龍が大勢泳いでくる。

 数多の龍と戦っていた魚人の全軍が怯んだ。
 三体の山岩龍が大波と共に押し寄せてくるが。

「見えた!」
「見えた!」

 俺はであい頭に蕪割をしていた。だが、綺麗に真っ二つになった一体の山岩龍と、もう一体の山岩龍が血飛沫を巻き上げ真っ赤な濁流へと沈んでいった。
「武様! 私も助太刀しますね!」
 いつの間にか、隣で呼吸を整えている鬼姫さんがいた。
「武! 私も助太刀するよ!」
「武よ! 俺も! 楽しみだなー!」
「私もだ!」
 後ろの広大な砂浜から呼吸が乱れていない蓮姫さんと、荒い呼吸の東龍。北龍とが駆けつけてくれた。
 俺は海に背を向ける。
 隣の鬼姫さんも背を向けた。
「おらー! 魚軍よー! 全軍撤退ー!!」
 察した東龍が魚軍に叫び声を上げた。
 散開していた魚軍が全軍撤退をしてきた。
 俺はありったけの龍の気を開放した。
 ドンッという激しい衝撃波が隣から発し、俺は踏ん張った。
 やっぱり鬼姫さんの龍の気は凄い!
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登場人物紹介

山門 武。

麻生の幼馴染で文武両道だが、どこかしら抜けている。

「俺、変わらないから。そう……いつまでも……」

麻生 弥生。

武の幼馴染で学園トップの美少女。

「私は武と誰もいないところへ行きたい……例え、日本を捨てても……」

高取 里奈。

タロットカード占いが大人顔負けの的中率の不思議な女。

「明後日には辿り着いているわ。その存在しないはずの神社に」

武に世界を救うという使命を告げる。

湯築 沙羅。

運動神経抜群で陸上県大会二年連続優勝者。

過去に辛い失恋の経験があるが、二番目の恋は武だった。


鬼姫。

鬼神を祀る巫女。剣術、気、ともに最強。

蓮姫。

海神を祀る巫女。神出鬼没な槍技の使い手。

地姫。

白蛇を祀る巫女。雷や口寄せなど随一の不思議な力を持っている。

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