第11話

文字数 400文字

 旧校舎の捜索も終え、高取は麻生たちと屋上へと廊下を走りながら、今は屋上は危険だと警告をしていた。
 高取は二番目に走っている卓登に近づいた。
「屋上には、今はあまり近づかない方がいい!」
「なんで?!」
「いいから! 立ち止まって、落ち着いて!」
 卓登は真っ青な顔で屋上を目指しながら叫んでいた。
「落ち着けるわけないよ! もうすぐ水没するんだぞ!」
「世界中がね! 今はまだ行かない方がいい!」
 高取は走りながら今度は卓登の後ろの美鈴に言った。
「もう始まっているの!」
「何が?!」
 一番目を走る麻生は卓登よりも足が速い。武がいると思われる屋上の元へと一目散であった。
 全員は、高取の助言を無視して屋上に辿り着いてしまった。

 ボロボロとなった屋上のアスファルトの床には、元はヘリコプターであったであろう残骸が幾つも散らばっていた。

 何匹もの龍がこちらを見た。
 
 





ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

山門 武。

麻生の幼馴染で文武両道だが、どこかしら抜けている。

「俺、変わらないから。そう……いつまでも……」

麻生 弥生。

武の幼馴染で学園トップの美少女。

「私は武と誰もいないところへ行きたい……例え、日本を捨てても……」

高取 里奈。

タロットカード占いが大人顔負けの的中率の不思議な女。

「明後日には辿り着いているわ。その存在しないはずの神社に」

武に世界を救うという使命を告げる。

湯築 沙羅。

運動神経抜群で陸上県大会二年連続優勝者。

過去に辛い失恋の経験があるが、二番目の恋は武だった。


鬼姫。

鬼神を祀る巫女。剣術、気、ともに最強。

蓮姫。

海神を祀る巫女。神出鬼没な槍技の使い手。

地姫。

白蛇を祀る巫女。雷や口寄せなど随一の不思議な力を持っている。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み