第54話

文字数 529文字

 2年A組に麻生が駆け込んで来た。
「お嬢ちゃん! 考えたくもないが、もはやこれまでだ!」
 宮本博士の一言を麻生は全力で否定した。
「いいえ、まだ方法はあるはずです! 考え方は考える方法です!」
「どうやって、倒す?」
「いえ、どんな手を使っても追い返すのです!」

 田嶋と地姫はこの教室のベランダにいた。
 麻生はベランダへ駆けつけると、地姫と田嶋にある方法を述べた。

 鳳翼学園から20キロの地点で、南龍は首を傾げた。
 暗き海に強力な光が照射されているのだ。
 自衛隊の無数の戦闘機が南龍の周りを舞う。
 無数の戦闘機は南龍の顎目掛けて、ミサイルを発射した。
 轟音とともに、南龍の顎に無数のミサイルが直撃したが、少しの傷を負わしただけであった。

 非常に硬い鱗である。
 南龍の硬さは人智を超えているのだろう。
 間髪入れずに轟雷も南龍の顎付近に降り注ぐ。
 
 麻生の考えた作戦であった。
 つまりは、弱点はそこしかないのだろうが。
 有効なのかは、まだ私にもわからなかった。

「まだです! 来ます!」
 地姫の発した声に、麻生は震える手を隠しているようだ。ここから見ても、南龍と自衛隊と地姫の戦いがよくわかるのだ。

 龍退治は、麻生にはかなり応えているのだろう。
 だが、休み暇はないのだ。
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登場人物紹介

山門 武。

麻生の幼馴染で文武両道だが、どこかしら抜けている。

「俺、変わらないから。そう……いつまでも……」

麻生 弥生。

武の幼馴染で学園トップの美少女。

「私は武と誰もいないところへ行きたい……例え、日本を捨てても……」

高取 里奈。

タロットカード占いが大人顔負けの的中率の不思議な女。

「明後日には辿り着いているわ。その存在しないはずの神社に」

武に世界を救うという使命を告げる。

湯築 沙羅。

運動神経抜群で陸上県大会二年連続優勝者。

過去に辛い失恋の経験があるが、二番目の恋は武だった。


鬼姫。

鬼神を祀る巫女。剣術、気、ともに最強。

蓮姫。

海神を祀る巫女。神出鬼没な槍技の使い手。

地姫。

白蛇を祀る巫女。雷や口寄せなど随一の不思議な力を持っている。

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