第39話 市街戦
文字数 958文字
天鳥船丸で土浦から東京までの僅かな道のりは、恐らくは穏やかであろう。
だが、これからの修練は武と湯築はいいのだが。
高取の方は非常に難しいのでは?
地姫が鳳翼学園へとやむなくとどまってしまったので、修練を独自でしなければならないのだ。
竜宮城への旅路はもっとも困難なものである。
ここはフロアである。
かまどのように熱くなったり、冬のように寒くなったりする。寒暖の激しいフロアの中央に高取が一人ポツンと座っている。
「誰か修行をしてくれる人いないかな。いつまで私一人なのかしら?」
そう独り言を漏らし、高取は座り続けた。
やはり、稽古役のような存在がいないといけないのだ。
高取は一通り地姫に教えられた修練を浚うのを終えると、一息吐いてフロアから出てきた。狭い通路には武と湯築がわざわざ待ってくれていたようだ。
「稽古の方はどう?」
湯築の心配気な声色に、高取は首を横に振った。
「駄目だわ。こんなんじゃ武たちに後れを取るわ」
高取は少し焦り気味の声音だ。
「高取。鬼姫さんたちに相談して、新しい稽古役を紹介してもらおうよ。その方が断然いいはずだし」
「私もそう思った。けど、いないのよ」
高取はその言葉を口にすると、焦り勝ちな心を払拭し、一人決心をしたかのような顔つきになった。
一方。
ここは鳳翼学園。
武たちが再び旅立ったその数刻後であった。
快晴の海にはまだ波の音以外無音で、静かなものだ。
地姫が率先して指示をだしていた。虚船丸から武士たちや巫女たちが神鉄を加工する機材を運んでいる。なんでも大きな瓶のようだ。それを幾つか自衛隊のいる教室にいそいそと運ばせているのだ。
地姫にしては珍しくいそいそとしている。
地姫は田嶋に、この鉄で大至急弾を作り。なるべく龍の体の真ん中を狙って撃ってほしいとのことを言っていた。
その後、地姫は人探しを中断し廊下から2年D組に来ていた。いつもの落ち着いた感じがしない。そんな地姫である。
地姫の美しさに宮本博士を除き。研究員たちは皆、呆けていた。
「さっさと、シャキッとしろ!! 今は世界中の危機だぞ!!」
激務で薄汚れた恰好になってしまった宮本博士の一喝で、他の研究員は渋々と仕事へ戻った。皆、睡眠不足であった。
だが、これからの修練は武と湯築はいいのだが。
高取の方は非常に難しいのでは?
地姫が鳳翼学園へとやむなくとどまってしまったので、修練を独自でしなければならないのだ。
竜宮城への旅路はもっとも困難なものである。
ここはフロアである。
かまどのように熱くなったり、冬のように寒くなったりする。寒暖の激しいフロアの中央に高取が一人ポツンと座っている。
「誰か修行をしてくれる人いないかな。いつまで私一人なのかしら?」
そう独り言を漏らし、高取は座り続けた。
やはり、稽古役のような存在がいないといけないのだ。
高取は一通り地姫に教えられた修練を浚うのを終えると、一息吐いてフロアから出てきた。狭い通路には武と湯築がわざわざ待ってくれていたようだ。
「稽古の方はどう?」
湯築の心配気な声色に、高取は首を横に振った。
「駄目だわ。こんなんじゃ武たちに後れを取るわ」
高取は少し焦り気味の声音だ。
「高取。鬼姫さんたちに相談して、新しい稽古役を紹介してもらおうよ。その方が断然いいはずだし」
「私もそう思った。けど、いないのよ」
高取はその言葉を口にすると、焦り勝ちな心を払拭し、一人決心をしたかのような顔つきになった。
一方。
ここは鳳翼学園。
武たちが再び旅立ったその数刻後であった。
快晴の海にはまだ波の音以外無音で、静かなものだ。
地姫が率先して指示をだしていた。虚船丸から武士たちや巫女たちが神鉄を加工する機材を運んでいる。なんでも大きな瓶のようだ。それを幾つか自衛隊のいる教室にいそいそと運ばせているのだ。
地姫にしては珍しくいそいそとしている。
地姫は田嶋に、この鉄で大至急弾を作り。なるべく龍の体の真ん中を狙って撃ってほしいとのことを言っていた。
その後、地姫は人探しを中断し廊下から2年D組に来ていた。いつもの落ち着いた感じがしない。そんな地姫である。
地姫の美しさに宮本博士を除き。研究員たちは皆、呆けていた。
「さっさと、シャキッとしろ!! 今は世界中の危機だぞ!!」
激務で薄汚れた恰好になってしまった宮本博士の一喝で、他の研究員は渋々と仕事へ戻った。皆、睡眠不足であった。