第59話
文字数 908文字
武の船室には、かなり大きなベッド。木製の机。小さ目な本棚がある。おおよそ八畳間くらいであろう。
他の寝床の船室もそうであるが、武の船室のベッドだけはかなり大きい作りであった。そこで皆と密集して寝ていたのであるが。
その時、ミシリ、と船室の床が軋んだ。
「ふふっ、お前たち何か勘違いしていないかい? 俺はただ遊んでるんだけなんだよ……。遊びで本気を出すわけないだろ。武っていうんだな、あんた。気に入ったよ。どうしても勝負したくなくったよ。どっちがモテ男かを。しばらく俺の遊びに付き合ってくれよ」
東龍は武を見据えた。
けれども、今度は東龍の姿形が少しだけ大きくなると、同時に凄まじいまでの胸を圧迫するような気迫が周囲を包み込みだした。
船室の床がミシリミシリと軋みだしている。
「武様。このままでは危険です!」
「それよりみんな外へ出ようぜ。ここより遥かに楽しいことができるんだぜ」
鬼姫の叫びと同時に武は額からは冷汗が伝うが、武も素直に頷いていた。
武たちと東龍は荒れ狂う雨風の甲板へと歩いて行った。
船外を見ると、武が先に拳を握りなおして甲板の中央を指差していた。すぐさま東龍と武は甲板の中央まで走り出した。
武にとっては、戦う以外にはないと思ったのだろう。
武は決して、好戦的な性格ではないがいざとなれば辺り構わずに打ち倒していく。そんな激しい一面もあるのだ。
武と東龍の戦いは目が離せなかった。
武の素早い正拳を東龍は寸でのところでかわし、それと同時に飛び蹴りを放ち、今度は身を低くした武は横蹴りを繰り出した。それを横飛びでかわした東龍は膝蹴りと、格闘技で決着を付けようとしていた。
お互い拳や蹴りがかすりもしないのだが、ここから見ても格闘技でも東龍の方が一枚上手のように思えた。東龍の重すぎる拳の方が当たると致命傷のように思えたからだ。
「武様! 隙を見せてはいけません!」
鬼姫が叫んだ。
だが、鬼姫たちが船外で大雨の中。それぞれ心配して見守る中。グキッという音が辺りに響き渡った。
東龍の肘打ちをかわした武は一回転をしそのまま放った蹴りが東龍の脇腹を抉っていたのだ。
他の寝床の船室もそうであるが、武の船室のベッドだけはかなり大きい作りであった。そこで皆と密集して寝ていたのであるが。
その時、ミシリ、と船室の床が軋んだ。
「ふふっ、お前たち何か勘違いしていないかい? 俺はただ遊んでるんだけなんだよ……。遊びで本気を出すわけないだろ。武っていうんだな、あんた。気に入ったよ。どうしても勝負したくなくったよ。どっちがモテ男かを。しばらく俺の遊びに付き合ってくれよ」
東龍は武を見据えた。
けれども、今度は東龍の姿形が少しだけ大きくなると、同時に凄まじいまでの胸を圧迫するような気迫が周囲を包み込みだした。
船室の床がミシリミシリと軋みだしている。
「武様。このままでは危険です!」
「それよりみんな外へ出ようぜ。ここより遥かに楽しいことができるんだぜ」
鬼姫の叫びと同時に武は額からは冷汗が伝うが、武も素直に頷いていた。
武たちと東龍は荒れ狂う雨風の甲板へと歩いて行った。
船外を見ると、武が先に拳を握りなおして甲板の中央を指差していた。すぐさま東龍と武は甲板の中央まで走り出した。
武にとっては、戦う以外にはないと思ったのだろう。
武は決して、好戦的な性格ではないがいざとなれば辺り構わずに打ち倒していく。そんな激しい一面もあるのだ。
武と東龍の戦いは目が離せなかった。
武の素早い正拳を東龍は寸でのところでかわし、それと同時に飛び蹴りを放ち、今度は身を低くした武は横蹴りを繰り出した。それを横飛びでかわした東龍は膝蹴りと、格闘技で決着を付けようとしていた。
お互い拳や蹴りがかすりもしないのだが、ここから見ても格闘技でも東龍の方が一枚上手のように思えた。東龍の重すぎる拳の方が当たると致命傷のように思えたからだ。
「武様! 隙を見せてはいけません!」
鬼姫が叫んだ。
だが、鬼姫たちが船外で大雨の中。それぞれ心配して見守る中。グキッという音が辺りに響き渡った。
東龍の肘打ちをかわした武は一回転をしそのまま放った蹴りが東龍の脇腹を抉っていたのだ。