第52話
文字数 482文字
「ええ、ですから……」
地姫が珍しく困った顔をした。
「あの、宮本博士……。多分、渦潮から上がっているから……地球にはない物質なんじゃ……量産は無理みたい……南龍退治は鉄砲では無理そうです」
麻生の言葉に宮本博士と他の研究員が頷いた。
それもそうである。
神鉄は龍に通用する唯一の普通の人間の武器である。
なくてはならないのだ。
「うーんと、それでは地姫さんにお願いがあります。お願いする前に聞きたいんですが、地姫さんの雷ってどのくらいの距離まで落とせますか?」
麻生の表には出さないようにしている不安な声音は、周囲に感づかれ不安を伝達してしまったが。
「針に糸を通すような正確さは狙えませんが、100キロは……」
「凄い! それなら、大丈夫ですね」
麻生の今度は安心しているかのような声音に、周囲からすぐにホッとした安堵の息が漏れ出した。
地姫は首を傾げる。
田嶋まで真剣な顔で麻生の傍まで歩いてきた。
教室の外の興味本位で立ち聞きしていた生徒たちも、麻生と地姫の美しさに目惚れながら静かに聞いている。
ここ2年A組は、もはや麻生のために作戦会議室になったようである。
地姫が珍しく困った顔をした。
「あの、宮本博士……。多分、渦潮から上がっているから……地球にはない物質なんじゃ……量産は無理みたい……南龍退治は鉄砲では無理そうです」
麻生の言葉に宮本博士と他の研究員が頷いた。
それもそうである。
神鉄は龍に通用する唯一の普通の人間の武器である。
なくてはならないのだ。
「うーんと、それでは地姫さんにお願いがあります。お願いする前に聞きたいんですが、地姫さんの雷ってどのくらいの距離まで落とせますか?」
麻生の表には出さないようにしている不安な声音は、周囲に感づかれ不安を伝達してしまったが。
「針に糸を通すような正確さは狙えませんが、100キロは……」
「凄い! それなら、大丈夫ですね」
麻生の今度は安心しているかのような声音に、周囲からすぐにホッとした安堵の息が漏れ出した。
地姫は首を傾げる。
田嶋まで真剣な顔で麻生の傍まで歩いてきた。
教室の外の興味本位で立ち聞きしていた生徒たちも、麻生と地姫の美しさに目惚れながら静かに聞いている。
ここ2年A組は、もはや麻生のために作戦会議室になったようである。