第79話
文字数 581文字
あくる日。
皆それぞれフロアを使わず。広い甲板での基礎の習熟をしていた。
鬼姫も蓮姫も光姫さえも、更に上を目指すかのように更なる鍛錬をしていた。
当然、四海竜王が目標のようだが。
皆、口には出さないが、タケルが目標なのであろう。
数多の虚船丸からも武士や巫女が度々、天鳥船丸へと訪れては稽古に励んでいた。武はそれでも周囲を気にせずに、ひたすら基礎を習熟している。
時折、高取と湯築と話しては、お互いの長所を取り入れようともし、武芸に励むのだ。
このままいけば、武はタケルにならなくてもめっぽう強いであろう。
他の大きな変化といえば、高取も湯築も武への好意をストレートに伝え表現するようになった。これには武も鬼姫でさえもいつもより寛容に接しているように見えるが、鬼姫は当然、内心はやきもちをやいているのだろう。
地姫の言った言葉が、私の胸に蘇った。
「これから皆の思慕を大切にせよ」と。
一方、ここは鳳翼学園。
今は深夜の二時である。
なにやら不穏な空気漂う学園を微細な渦潮が無数に囲んでいた。
「不吉な夜ですね……」
2年B組で寝ていた地姫がそう呟き目を覚ました。
すぐさま起き出し、隣の麻生を起こすと「急いで!」と二人は2年D組へと走った。
麻生の後ろには、当然事態に気が付いた卓登が寝ぼけ眼を擦って追いかけていた。
皆それぞれフロアを使わず。広い甲板での基礎の習熟をしていた。
鬼姫も蓮姫も光姫さえも、更に上を目指すかのように更なる鍛錬をしていた。
当然、四海竜王が目標のようだが。
皆、口には出さないが、タケルが目標なのであろう。
数多の虚船丸からも武士や巫女が度々、天鳥船丸へと訪れては稽古に励んでいた。武はそれでも周囲を気にせずに、ひたすら基礎を習熟している。
時折、高取と湯築と話しては、お互いの長所を取り入れようともし、武芸に励むのだ。
このままいけば、武はタケルにならなくてもめっぽう強いであろう。
他の大きな変化といえば、高取も湯築も武への好意をストレートに伝え表現するようになった。これには武も鬼姫でさえもいつもより寛容に接しているように見えるが、鬼姫は当然、内心はやきもちをやいているのだろう。
地姫の言った言葉が、私の胸に蘇った。
「これから皆の思慕を大切にせよ」と。
一方、ここは鳳翼学園。
今は深夜の二時である。
なにやら不穏な空気漂う学園を微細な渦潮が無数に囲んでいた。
「不吉な夜ですね……」
2年B組で寝ていた地姫がそう呟き目を覚ました。
すぐさま起き出し、隣の麻生を起こすと「急いで!」と二人は2年D組へと走った。
麻生の後ろには、当然事態に気が付いた卓登が寝ぼけ眼を擦って追いかけていた。