第102話
文字数 1,049文字
「武。ありがとうね。地球を救ってくれて……ここは竜宮城で、そこでこの手紙を書いているの。……でもね、地球の危機はまだまだあるの。私の悪い予感だけど……それは……地球の水が全て無くなること。竜宮城が地球を侵略してきた理由を、乙姫から聞いたんだけど……竜宮城の住まう惑星にもこれ以上ないほどの脅威があるの。そう、それも地球の水が関連した……。武……水の惑星の龍には十分気を付けてね。絶対によ……。それと、麻生さんは、元気のようよ。そう地姫さんから聞いた。必ず死なずに元気に戻って来てね」
俺はあいつの面影を瞬時に思い出した。
「そういうことなら……どうせなら……全部やっつけてやる!」
縄梯子まで急いで泳ぎ、珊瑚の壁面の縄梯子を登っていると、想像したこともない大きな咆哮が聞こえて来た。まるで、月や星が震えだすかのような音量だった。そう……想像を絶する巨大な龍の咆哮だ。
東龍によって、縄梯子から引き上げられると、
「武! こっちだ! 急げ!」
急いで、四季彩る廊下を東龍と走り、幾本もの葉が舞う柱を通り過ぎていくと竜宮城の正門に辿り着いた。
空を見上げてみると、七色の月がそれぞれ三つ宙に浮いていた。
大気は常温くらいだ。
寒くもなく。熱くもない。
目の前には大きな水色の壁があった。心臓のようにドクドクと脈打ち、空を見上げると、雲のような髭のようなものに、虹が渡っていた。
「な!?」
俺は驚いて口を開けた。
超巨大な龍がこちらを遥か天空から覗いていた。
東龍は平然と俺の肩を叩き。
「ようこそ。龍神の住まう惑星へ……」
「あんなの……どうするんだ……」
俺はさっきまでの強気が急激に弱気に変化した。身体が震えて動けなくなった。
冬の枯葉が敷き詰められた広々とした平地にポツンと佇んだ。竜宮城の城下町が後方に見え。今はその反対側の平地で俺は水淼の大龍と対峙していた。
けれども、すぐに恐怖に打ち負かされていた俺の脳裏にはあいつの顔が過った。すぐさま気合いを込めてタケルになり刀はあるかと東龍に聞いた。
「ほらよ。地球での戦いの時に俺を斬った刀だったな。さあ、勝ち負けなんてどうでもいいってほど……楽しもうぜ!」
東龍から渡された鞘に収まった刀はあの時の雨の村雲の剣だった。
「よし!」
俺は鞘ごと受け取ると、雨の村雲の剣を腰に差し居合い腰になった。
「待て! 一人で行くのか!? 私たちも加勢するよ!」
俺の後ろから声が聞こえ、振り向くと目の前には傷の治っている満身創痍だった北龍、南龍、西龍。魚人の大軍があった。
俺はあいつの面影を瞬時に思い出した。
「そういうことなら……どうせなら……全部やっつけてやる!」
縄梯子まで急いで泳ぎ、珊瑚の壁面の縄梯子を登っていると、想像したこともない大きな咆哮が聞こえて来た。まるで、月や星が震えだすかのような音量だった。そう……想像を絶する巨大な龍の咆哮だ。
東龍によって、縄梯子から引き上げられると、
「武! こっちだ! 急げ!」
急いで、四季彩る廊下を東龍と走り、幾本もの葉が舞う柱を通り過ぎていくと竜宮城の正門に辿り着いた。
空を見上げてみると、七色の月がそれぞれ三つ宙に浮いていた。
大気は常温くらいだ。
寒くもなく。熱くもない。
目の前には大きな水色の壁があった。心臓のようにドクドクと脈打ち、空を見上げると、雲のような髭のようなものに、虹が渡っていた。
「な!?」
俺は驚いて口を開けた。
超巨大な龍がこちらを遥か天空から覗いていた。
東龍は平然と俺の肩を叩き。
「ようこそ。龍神の住まう惑星へ……」
「あんなの……どうするんだ……」
俺はさっきまでの強気が急激に弱気に変化した。身体が震えて動けなくなった。
冬の枯葉が敷き詰められた広々とした平地にポツンと佇んだ。竜宮城の城下町が後方に見え。今はその反対側の平地で俺は水淼の大龍と対峙していた。
けれども、すぐに恐怖に打ち負かされていた俺の脳裏にはあいつの顔が過った。すぐさま気合いを込めてタケルになり刀はあるかと東龍に聞いた。
「ほらよ。地球での戦いの時に俺を斬った刀だったな。さあ、勝ち負けなんてどうでもいいってほど……楽しもうぜ!」
東龍から渡された鞘に収まった刀はあの時の雨の村雲の剣だった。
「よし!」
俺は鞘ごと受け取ると、雨の村雲の剣を腰に差し居合い腰になった。
「待て! 一人で行くのか!? 私たちも加勢するよ!」
俺の後ろから声が聞こえ、振り向くと目の前には傷の治っている満身創痍だった北龍、南龍、西龍。魚人の大軍があった。