第36話
文字数 1,088文字
それから夕餉の時間であった。
あの三人組が、台所に参加し様々な食材でカレーライスを武たちのために作ってくれていた。
「これはなんという料理ですか?」
鬼姫が珍しい食べ物を見るかのように隣の河田に尋ねた。
地姫と蓮姫と他の巫女たちも珍しそうにカレーライスを見つめている。
「カレーといいますよ。とにかく食べてみて下さいな」
片岡が木を削って作ったスプーンを人数分用意し皆に配った。
鬼姫たちはスプーンにも珍しげな目を向けている。
早速、食べると、
「美味しい!」
「美味!」
「これは美味しいですわね!」
カレーライスには鬼姫と蓮姫と地姫も満足していた。
他の巫女も喜んでいる。
武たちも久しぶりの洋食に嬉しがっていた。
「これから、和食だけじゃなく。色んな食べ物を用意しますね」
美鈴がそう言ったが、彼女たちの心配りは見ていて心温まるものだった。
「明日はどんな料理がでてくるのかしら?」
湯築の期待のこもった言葉に、片岡がニッコリ微笑んで、
「みんな食べたいと思うので、ラーメンに挑戦しますね」
それを聞いて、武たちは大喜びだったが。
鬼姫たちは首をかしげた。
食堂も賑やかになり、そして、温かい。武たちの旅は今のところ順調だ。
一方。ここは現在の鳳翼学園の昼の12時30分頃。
武たちが東京へと向かっている間に、事態は刻一刻と変わっていたようだ。
鳳翼学園の周囲に巨大な渦潮が現れている。その渦潮からは、どう見ても1000歳は軽く超えている龍が数体も昇って来ていた。
学園内の2年D組には、宮本博士が頭を抱えていた。
「早速、本格的な人払いか……」
「宮本博士。あの巨大な龍をどうしますか? 弾丸は効きません」
田嶋が厳つい顔をこわばらせた。
「あの……装甲弾では、どうでしょう?」
2年D組の窓の付近で皆、宮本博士たちと自衛隊が集まっていた。
かなり細い研究員が言ったのだ。
「あるにはあります……けれども……有効かどうかは……」
ハッとした田嶋はすぐに本部へと連絡を入れるために動いた。
考えるより、まず行動である。
晴れ渡った空の下。
装甲弾と催涙弾の重装備の応援のヘリの大軍が鳳翼学園へ着く頃には、日本刀や槍を持った高校生や巫女たちが龍と果敢に戦っていた。空には大船が幾つも浮かび上がり。雨雲が所々、意志があるかのように漂っていた。
「武!」
麻生が叫んだ。
そう、武たちが龍と戦っていたのだ。
龍の息の根を次々と止めている武たちに、鳳翼学園からは凄まじいまでの声援が送られている。
あの三人組が、台所に参加し様々な食材でカレーライスを武たちのために作ってくれていた。
「これはなんという料理ですか?」
鬼姫が珍しい食べ物を見るかのように隣の河田に尋ねた。
地姫と蓮姫と他の巫女たちも珍しそうにカレーライスを見つめている。
「カレーといいますよ。とにかく食べてみて下さいな」
片岡が木を削って作ったスプーンを人数分用意し皆に配った。
鬼姫たちはスプーンにも珍しげな目を向けている。
早速、食べると、
「美味しい!」
「美味!」
「これは美味しいですわね!」
カレーライスには鬼姫と蓮姫と地姫も満足していた。
他の巫女も喜んでいる。
武たちも久しぶりの洋食に嬉しがっていた。
「これから、和食だけじゃなく。色んな食べ物を用意しますね」
美鈴がそう言ったが、彼女たちの心配りは見ていて心温まるものだった。
「明日はどんな料理がでてくるのかしら?」
湯築の期待のこもった言葉に、片岡がニッコリ微笑んで、
「みんな食べたいと思うので、ラーメンに挑戦しますね」
それを聞いて、武たちは大喜びだったが。
鬼姫たちは首をかしげた。
食堂も賑やかになり、そして、温かい。武たちの旅は今のところ順調だ。
一方。ここは現在の鳳翼学園の昼の12時30分頃。
武たちが東京へと向かっている間に、事態は刻一刻と変わっていたようだ。
鳳翼学園の周囲に巨大な渦潮が現れている。その渦潮からは、どう見ても1000歳は軽く超えている龍が数体も昇って来ていた。
学園内の2年D組には、宮本博士が頭を抱えていた。
「早速、本格的な人払いか……」
「宮本博士。あの巨大な龍をどうしますか? 弾丸は効きません」
田嶋が厳つい顔をこわばらせた。
「あの……装甲弾では、どうでしょう?」
2年D組の窓の付近で皆、宮本博士たちと自衛隊が集まっていた。
かなり細い研究員が言ったのだ。
「あるにはあります……けれども……有効かどうかは……」
ハッとした田嶋はすぐに本部へと連絡を入れるために動いた。
考えるより、まず行動である。
晴れ渡った空の下。
装甲弾と催涙弾の重装備の応援のヘリの大軍が鳳翼学園へ着く頃には、日本刀や槍を持った高校生や巫女たちが龍と果敢に戦っていた。空には大船が幾つも浮かび上がり。雨雲が所々、意志があるかのように漂っていた。
「武!」
麻生が叫んだ。
そう、武たちが龍と戦っていたのだ。
龍の息の根を次々と止めている武たちに、鳳翼学園からは凄まじいまでの声援が送られている。