第23話

文字数 936文字

「はい、レイスさんですね。ではこちらにサインをお願いします」
「おっ、こんな所にも俺のファンが?」
「いえ、こちらの申込用紙に……」
「……ですよね。」



 本選大会が始まる。今回は7番になった。ラッキーセブンというヤツだな。


 この本選大会は予選大会の優勝者だけが参加できる。本選大会の優勝者だけが全国大会に出場できるのだが、一つの大会の中では一番大きい規模? 多い参加人数での開催となっている。

そして体力的にも1番厳しい大会となっているのだ。全国大会は3日間で行われる。テレビ側の都合か何か分からないが。

 でもこの本選大会は、いわゆるワンデイトーナメント。1日で5試合勝ち抜かないといけない。なるべく体力を使わずに早く決めてしまう事が重要なのだ。



 と、見知った顔を発見した。


「ドーンか」
「レイスさん、もう受付は終わりました?」
「ああ、7番になったよ」
「私は2番でした。3回戦であたりますね」
「そうか、じゃあそこまでは頑張らないとな」



 束の間の休息…

 一息入れた所で兵士がやってきた。前回の大会の時と同じ兵士だな。


「それでは、只今より地区本選大会を始めます。1番から16番の選手はAブロックです。左側の控室へお進み下さい。17番から32番の選手はBブロックです。右側の控室へお進み下さい」
「ついに始まるか」
「お互いに頑張りましょう」





「前回の時に広い控室だとは思っていたが……そもそも、この人数を想定してのものだったんだな」
「そうでしょうね」


「では第1試合を始めます。1番の選手と2番の選手は奥へどうぞ」
「では行ってきます。ここに戻って来れる様に頑張りますね」
「おお、行ってこい」



 大会でのドーンを見るのは初めてだったので、しっかりと実力を確かめようとした。しかし、すぐに目を背けた。試合開始すぐの魔法1発で決着が付いたからだ。


 ドーンが戻ってくる。当然だが傷1つない。


「相変わらず見事な魔法だな」
「ありがとうございます。相手も魔法使いだったので、先に行った方が良いかなと」


 そうして試合は進んでいく。


「それでは第4試合を行います。7番の選手と8番の選手は奥へどうぞ」

「俺の出番だな」
「相手はあまり強そうには見えません。頑張って来て下さい」
「任せとけ」



 じじいは奥の闘技場へ向かった。




ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

【レイス】

本作の主人公。

200年前に魔王を打ち破った勇者。

光の精霊の加護を受けており、光属性の魔法や魔法剣を使用する。

【ニャン太】

勇者レイスの使い魔。

光の精霊がレイスに遣わせた精霊見習い。。

猫の姿は仮の姿である。


【ポコポコビッツ】

200年前に勇者に敗れた魔王。

封印されており、復活する時を待っている。

闇属性の魔法を使用する。

【ドーン】

ルファウスト王国の宮廷魔術師。

とある要件でとある人間を追っている。

主に無属性の爆発魔法を使用する。

【ヘンリー】

ルファウスト王国に住む魔法剣士。

世界大会で優勝するのが夢。

無属性の魔法剣を使用する。

【ポーン】

サーザリッド王国の兵士。

研修でルファウスト王国へ来ており、大会での案内等を行う。


【光の精霊】

レイスに光の加護を授け、ニャン太を遣わせた本人。

レイスに間違えて「不老不死」でなく「不死」を与えてしまったおっちょこちょいさん。

【魔王直属軍】

200年前は大きな軍だった。

レイスと戦って敗れた事でかなり数を減らしてしまった。

魔王が封印された後は、殆どの者が目的も無く過ごしている。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み