第35話
文字数 893文字
「何とか終わったか。」
脅威は去ったが、亡くなった命は戻らない。コザという選手は不運だった。
「おい、俺が優勝で良いのかな?」
「え……そ、そうですね。見事魔物を撃ち下した、レイス選手の優勝です!」
少し間があったが、観客は歓声を上げる。実際、目の前で凶悪な魔物を倒したじじいは英雄か何かに見えただろう。
「レイス選手、おめでとうございます。これが優勝トロフィーと記念メダルです」
「ありがとう」
「また、レイス選手は一か月後に開催される全国大会に出場する権利が与えられます」
デスハーピーとの死闘で一瞬忘れかけていたが、取り敢えずの目的は全国大会の優勝。老いた自分の力を試すのと、自信を取り戻す事が目的だったのだ。
でも勇者として、一番の目的……というか使命はいずれ復活する魔王を倒す事。実際に200年前に比べれば、力はまだまだ戻り切ってはいない。戦って気を溜めて魔力を溜めて、やっと奥義を一度放てた程度なのだ。こんな状態で魔王と戦っても、勝てはしないだろう。
「レイスさん」
「おお、ドーンじゃないか」
「優勝おめでとうございます。何と言うか凄い展開になりましたが、無事で何よりです」
「ははは、今回はだいぶキツかったけどな」
控室へ戻った所でドーンが待っていた。大会が終了したからここへ入れたのだろう。
「しかし、まさか魔物が紛れていたなんて……」
「驚いたな。でも魔物ならあの強さも納得だよ」
「最後の奥義は圧巻でした。あんな奥の手を持っていたんですね」
「若い頃はもっと強い奥義も使えたんだがな」
暫く言葉を交わす。
何か嬉しかった。
「じゃあ帰るよ。最初にあった森の傍にある家が俺の家だから、いつでも遊びに来てくれ」
「取り敢えず来週の始め位に行きますね。簡単ですが祝勝会をしましょう」
「楽しみにしてるよ」
さて、ゆっくり休もう。それから、次の全国大会に向けて修行しなきゃ。
~家~
「おお、帰ってきたか。大会はどうだったよ?」
「ふっふっふ。これを見よ!」
「これはトロフィーとメダルじゃねえか。優勝してきやがったんだな」
「来月は全国大会だ」
「よくやったな、おめでとう」
じじいはニャン太に大会中の事を話した。
脅威は去ったが、亡くなった命は戻らない。コザという選手は不運だった。
「おい、俺が優勝で良いのかな?」
「え……そ、そうですね。見事魔物を撃ち下した、レイス選手の優勝です!」
少し間があったが、観客は歓声を上げる。実際、目の前で凶悪な魔物を倒したじじいは英雄か何かに見えただろう。
「レイス選手、おめでとうございます。これが優勝トロフィーと記念メダルです」
「ありがとう」
「また、レイス選手は一か月後に開催される全国大会に出場する権利が与えられます」
デスハーピーとの死闘で一瞬忘れかけていたが、取り敢えずの目的は全国大会の優勝。老いた自分の力を試すのと、自信を取り戻す事が目的だったのだ。
でも勇者として、一番の目的……というか使命はいずれ復活する魔王を倒す事。実際に200年前に比べれば、力はまだまだ戻り切ってはいない。戦って気を溜めて魔力を溜めて、やっと奥義を一度放てた程度なのだ。こんな状態で魔王と戦っても、勝てはしないだろう。
「レイスさん」
「おお、ドーンじゃないか」
「優勝おめでとうございます。何と言うか凄い展開になりましたが、無事で何よりです」
「ははは、今回はだいぶキツかったけどな」
控室へ戻った所でドーンが待っていた。大会が終了したからここへ入れたのだろう。
「しかし、まさか魔物が紛れていたなんて……」
「驚いたな。でも魔物ならあの強さも納得だよ」
「最後の奥義は圧巻でした。あんな奥の手を持っていたんですね」
「若い頃はもっと強い奥義も使えたんだがな」
暫く言葉を交わす。
何か嬉しかった。
「じゃあ帰るよ。最初にあった森の傍にある家が俺の家だから、いつでも遊びに来てくれ」
「取り敢えず来週の始め位に行きますね。簡単ですが祝勝会をしましょう」
「楽しみにしてるよ」
さて、ゆっくり休もう。それから、次の全国大会に向けて修行しなきゃ。
~家~
「おお、帰ってきたか。大会はどうだったよ?」
「ふっふっふ。これを見よ!」
「これはトロフィーとメダルじゃねえか。優勝してきやがったんだな」
「来月は全国大会だ」
「よくやったな、おめでとう」
じじいはニャン太に大会中の事を話した。