第96話
文字数 1,589文字
「そう言えば、もう1つの選択ってのは?」
「そうだった。何か締める雰囲気だったな」
「まず、勇者レイス。貴方は不死の契約を交わしています。ですが、強力になった聖剣の呪いはその契約を打ち消してします危険性がありました」
「え、不死が無くなるって事ですか?」
「それただの超々高齢者じゃ……」
「私は力を授ける事でその危険性は無くなります。選択して貰いたいのは、その後の事です」
「その後……?」
「貴方が契約しているのは不死。貴方は決して死ぬ事はありません。ですが、この契約は魔王の復活を待つ為に行ったもの」
「魔王を倒した後は契約している意味がないって事ですか」
「そうです。今は魔王がまだ存在しているので契約の解除は出来ません。ですが時が来れば……つまり魔王を打ち倒した後は自動的に契約は終了してしまうでしょう。なので、魔王を倒した後に契約をどうするか選択して欲しいのです」
「因みに若返らしたり、不老不死にしたりは出来ないんですか?」
「不老不死の契約を行う事は可能です。ですが、若返る事は出来ません。」
「このまま不死で居るか。不老不死になるか。どっちにしてもじじいのまま……」
「契約を解いて只の人間に戻る事も可能です」
「……!?」
「そ、それは……」
不死が無くなって、ただのじじいになれば……
身体は衰え、じきに……
「この選択に関しては、焦って決める必要はありません。魔王が消滅すれば確かに契約は終了します。ですが、ここまで鍛え上げた状態ですぐに死んでしまう訳ではありません。ただ、私の力と神の力を得たならば魔王を完全に消滅させる事が出来ますので」
「そうか、通常なら魔王を倒してもまた消滅せずに封印って事にもなりかねない」
「本来どうするつもりだったんですか?」
「前回、私もこうなるとは考えていませんでした。だからこそ今回は私の力を使おうと思っていました」
「光の力で、ですか?」
「いえ、それとは別です。前回は魔王を倒した後に1部ですが魔王が自らを封印した所為で、手が出せなくなってしまっていました」
「だから俺が不死になって魔王の封印を見ていたんですよね」
「はい。なので今回は倒した時点で私が魔力を以って消滅に掛かるつもりでした」
「あれ? 地上の事には干渉しないんじゃ……」
「ええ、ルール違反にはなります。それでも、勇者レイスを長い時間拘束してしまったお詫びのつもりです。多少の罰くらいは覚悟していました」
「罰……?」
「せいぜい100年程度の拘束でしょう。もしかしたら神は、そうなる事を考えていたのかもしれません。でなければ、このタイミングでふにゃにゃんを遣わせたりはしません」
「光の精霊様はあの生物が、神様によって遣わされたと?」
「確認はしていませんので分かりませんが、私はそう思っています。ふにゃにゃんは神の使いで来た。そして聖剣の呪いを倍増させた」
「そして光の精霊様の光の力を加えて、じじいで魔王の消滅を出来る様にした?」
「神も流石に直接、魔王を滅ぼしたりはしません。本来、私も同じなのですから」
「……取り敢えず、色々と混乱してきた」
「簡単な話だ。じじいは全力で魔王を倒せば良い。それだけの力は授かった。その後の事はその時に考えれば良い。……まあどうするのかは、じじい次第だけどな」
正直、先の事は考えていなかった。確かに、魔王を倒す為にした契約なのだから魔王が居なくなったら普通に戻るよな。多分、魔王を倒した功績か何かって名目でどうするかを決めさせてくれるんだ。
でも取り敢えずは……ニャン太の言う通りか。
「ああ、簡単な話なんだな。今は魔王を倒す事だけを考えよう」
「……おう」
「そうですね。勇者レイスよ、今貴方は魔王を倒す為に存在しています。勇者としての使命を果たしなさい」
「はい」
念の為に、回復薬をポケットに突っ込んでおく。
「じじい……」
「行こう、魔王の所へ!」
じじいは聖剣を携えた。
「そうだった。何か締める雰囲気だったな」
「まず、勇者レイス。貴方は不死の契約を交わしています。ですが、強力になった聖剣の呪いはその契約を打ち消してします危険性がありました」
「え、不死が無くなるって事ですか?」
「それただの超々高齢者じゃ……」
「私は力を授ける事でその危険性は無くなります。選択して貰いたいのは、その後の事です」
「その後……?」
「貴方が契約しているのは不死。貴方は決して死ぬ事はありません。ですが、この契約は魔王の復活を待つ為に行ったもの」
「魔王を倒した後は契約している意味がないって事ですか」
「そうです。今は魔王がまだ存在しているので契約の解除は出来ません。ですが時が来れば……つまり魔王を打ち倒した後は自動的に契約は終了してしまうでしょう。なので、魔王を倒した後に契約をどうするか選択して欲しいのです」
「因みに若返らしたり、不老不死にしたりは出来ないんですか?」
「不老不死の契約を行う事は可能です。ですが、若返る事は出来ません。」
「このまま不死で居るか。不老不死になるか。どっちにしてもじじいのまま……」
「契約を解いて只の人間に戻る事も可能です」
「……!?」
「そ、それは……」
不死が無くなって、ただのじじいになれば……
身体は衰え、じきに……
「この選択に関しては、焦って決める必要はありません。魔王が消滅すれば確かに契約は終了します。ですが、ここまで鍛え上げた状態ですぐに死んでしまう訳ではありません。ただ、私の力と神の力を得たならば魔王を完全に消滅させる事が出来ますので」
「そうか、通常なら魔王を倒してもまた消滅せずに封印って事にもなりかねない」
「本来どうするつもりだったんですか?」
「前回、私もこうなるとは考えていませんでした。だからこそ今回は私の力を使おうと思っていました」
「光の力で、ですか?」
「いえ、それとは別です。前回は魔王を倒した後に1部ですが魔王が自らを封印した所為で、手が出せなくなってしまっていました」
「だから俺が不死になって魔王の封印を見ていたんですよね」
「はい。なので今回は倒した時点で私が魔力を以って消滅に掛かるつもりでした」
「あれ? 地上の事には干渉しないんじゃ……」
「ええ、ルール違反にはなります。それでも、勇者レイスを長い時間拘束してしまったお詫びのつもりです。多少の罰くらいは覚悟していました」
「罰……?」
「せいぜい100年程度の拘束でしょう。もしかしたら神は、そうなる事を考えていたのかもしれません。でなければ、このタイミングでふにゃにゃんを遣わせたりはしません」
「光の精霊様はあの生物が、神様によって遣わされたと?」
「確認はしていませんので分かりませんが、私はそう思っています。ふにゃにゃんは神の使いで来た。そして聖剣の呪いを倍増させた」
「そして光の精霊様の光の力を加えて、じじいで魔王の消滅を出来る様にした?」
「神も流石に直接、魔王を滅ぼしたりはしません。本来、私も同じなのですから」
「……取り敢えず、色々と混乱してきた」
「簡単な話だ。じじいは全力で魔王を倒せば良い。それだけの力は授かった。その後の事はその時に考えれば良い。……まあどうするのかは、じじい次第だけどな」
正直、先の事は考えていなかった。確かに、魔王を倒す為にした契約なのだから魔王が居なくなったら普通に戻るよな。多分、魔王を倒した功績か何かって名目でどうするかを決めさせてくれるんだ。
でも取り敢えずは……ニャン太の言う通りか。
「ああ、簡単な話なんだな。今は魔王を倒す事だけを考えよう」
「……おう」
「そうですね。勇者レイスよ、今貴方は魔王を倒す為に存在しています。勇者としての使命を果たしなさい」
「はい」
念の為に、回復薬をポケットに突っ込んでおく。
「じじい……」
「行こう、魔王の所へ!」
じじいは聖剣を携えた。